2024年12月25日( 水 )

ともに働く職人と目指したのは高い品質と卓越した技術(後)

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(株)ツキジ

遠方の職人への宿泊施設を完備した資材センターが完成

▲和気あいあいとした雰囲気の事務所内

 必要とされれば、九州一円なら誰よりも早く現場に駆けつける行動力をもち、常に現場で仕事の指揮を執る築地氏。職人とも関係性は良好で、その証がスーパーゼネコンなどからの受注の増加である。社内の環境整備と業者との関係強化に重きを置くことで、高いクオリティーをもつ技術集団を形成してきた。『高い技術は信頼の証』ということを常に意識している。

 築地氏は従業員や職人との関係性を高めつつ、さらなる高い技術を発揮してほしいという観点から常に最適な環境整備を整えている。たとえば、防水作業は塗料が飛び散る仕事だけに、作業服やヘルメットは汚れていく。常に高いプライドをもってもらいたいとの思いから、従業員には新品の作業服やヘルメットを毎年供与している。営業車もすべて最新型のハイブリッド車に交換した。しかも、築地代表が使う車を最後に交換するなど、従業員優先の姿勢が表れている。

▲昨年完成した資材センター

 昨年、那珂川町内において鉄骨造の資材センターが完成した。棟上げでは最近は、あまり見なくなった餅まきを盛大に行い、従業員や職人の家族を始め、近所の人々にも大好評であった。「お祝いごとですし、皆が喜んでいただければ満足です」と築地氏は語っていた。

 さて、この資材センターは、敷地面積約300坪の広さをもち、倉庫内には数多くの資材が並べられている。この資材センターを建てた大きな理由は、材料や資材供給が何かのトラブルで止まることがないようにするため。余裕をもって資材の確保がなされ、2重3重の対策が取られているのだ。高い技術の裏付けには、こうした予見できないトラブルに対する万全の備えがある。

 さらに驚くのは、宿泊用の部屋の完備。同社においては九州一円に関係職人が点在しており、常に現場を求めて移動している。福岡地区での現場仕事の際に、遠距離の運転で事故を起こさないように、かつ、快適に仕事をしてもらうために、ホテル顔負けの仕様の部屋を完備したのである。詰所も簡易な事務所も準備されており、もちろん無料で提供する。ここまで仕事の環境を整える会社は少ないだろう。

 現在、同社と協力体制をもつ職人は九州一円に約200人。そして17年6月期の同社の売上高は10億円を超えた。今ではスーパーゼネコンも一目置く地場専門業者として名を馳せる。その原点は、築地氏が駆け出しの職人のころから現場で培ってきた「プロとして誇れる仕事を行うべき」という確たる理念によるものだ。これからも専門業者としての歩みに迷いはなく、そのプロ意識は不変である。

 そのモチベーションを高めているのは、常に改善される職場環境。「社員が気分よく仕事をしてもらわないと、業績も上がらない」と築地氏。従業員も「以前勤めていた会社と比べると、職場の雰囲気は良く、安心して仕事ができます」と話してくれた。

 高い品質を保ち、周囲から高い評価を受ける同社。職人たちとともに目指したのは、高い品質と卓越した技術だ。それを支える人々を含め、最高の環境を提供する築地氏の思いが、好調な業績を支えている。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:築地 隆仁
所在地:福岡市南区屋形原3-38-12
設 立:1991年7月
資本金:2,000万円
TEL:092-565-1366
URL:http://www.ts-tsukiji.com

<プロフィール>
築地 隆仁(つきじ・たかひと)

 1961年4月生まれ。学卒後、医療器具商社の営業職を経て建設業界へ。87年、「築地シーリング工業」を創業し、91年に法人化。同社代表取締役に就任。

(前)

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