2024年11月29日( 金 )

コーヒー戦争の行方は?(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 コーヒーは全世界で水の次に飲まれていると言ってもいいほどの飲み物だ。なぜコーヒーは、これほどまでに世界中の人々に愛されるようになったのだろうか。
 コーヒーは香りだけでなく、特有の味で人々を魅了している。コーヒーを一日も欠かさず飲む人も多い。その結果、コーヒーは巨大市場へと成長し、世界に与える経済効果も大きい。とくに、韓国ではコーヒー需要が爆発的に増加している。
 スターバックスはソウルだけで370店舗を展開している。スターバックス以外にも「カフェベネ」「EDIYA」「TOM&TOMS」「Angelin us」などの国内ブランドを合わせると、店舗数は膨大な数になる。朝、目覚めのコーヒーから一日がスタートし、会社で、それから取引先で、1日数杯のコーヒーを日常的に飲む人は多い。お昼の食事代よりもコーヒー代のほうが高かったという冗談もあるほどだ。

 コーヒーは9世紀頃、エチオピアの高山地域で栽培されはじめたとされている。コーヒーは、その後、15世紀にエチオピアから近いイスラム地域に伝えられた。徹夜でお祈りをしたり、瞑想にふけったりするイスラムの修道師にとって、覚醒効果のあるコーヒーは眠気覚ましになり、人気が高かったようだ。
 コーヒー人気は寺院にとどまらず、一般人にまで広がった。その後、コーヒーは17世紀にアラブの巡礼者により、ヨーロッパ全域に伝わったという。ヨーロッパに伝わったコーヒーは、帝国主義とともに安い労働賃金で栽培できる中南米や東南アジアへと進出することになる。
 16世紀末までコーヒーはエチオピアとアラビアのエーメインでしか栽培されていなかった。当時のアラブ人はコーヒーの種が流出することを防ぐため、すべてのコーヒーをロースティングして輸出していたようだ。この方法によって、コーヒーは全世界に広がるようになった。
 コーヒーを生産・栽培するには、その土地の気候が大事な条件になる。多湿な高地帯だけがコーヒー栽培に適しているという。
 コーヒーの栽培条件を満たしている国は、全世界に70カ国ほどあるようだ。そのなかでブラジルが生産量においてトップで、全世界の生産量の30%以上を占めている。2位はベトナム、3位はコロンビア、4位はインドネシアだ。

(つづく)
 

(後)

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