不祥事相次ぐ弁護士業界 「先生」選びも慎重に
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11月1日、大阪地検特捜部は大阪弁護士会所属の弁護士・洪性模(こうせいも)容疑者を業務上横領の疑いで逮捕した。依頼人から預かった1億8,200万円を、別の口座に移すなどして着服したとされる。弁護士会は今年3月、同弁護士を業務停止3カ月の懲戒処分にしていた。
昨今、弁護士のこうした不祥事が後を絶たない。企業間係争の増加を予想し、司法試験の合格者を増やした時代が、その後の競争激化と質の低下を招いたとされる。事件として表面化するのはごく一部であり、実際は弁護士にかかわるトラブルはさらに多い。
近年、福岡地区でも弁護士に関するトラブルを聞くことが多くなった。「依頼したのに処理が一向に進まないため、別の弁護士に変えたらすぐに終わった」「病気を理由に、まともに連絡が取れなくなり、弁護士を変えざるを得なかった」などはかわいいうちで、セクハラで懲戒、詐欺で逮捕、建造物侵入で逮捕などというものまである。依頼主も、自分が信頼して案件を任せていた弁護士が突然、逮捕されれば仰天するだろう。
最近では仕事をたくさん受けたはいいが、実務能力がないため処理が追いつかず、事務所を畳んでインハウス(企業内)弁護士に転じる者まで出てきた。企業経営にトラブルはつきものだが、頼る弁護士を間違えるとトラブルが増幅する。費用ばかり嵩んで不利な状況を招くケースもある。「先生」選びも慎重に検討しなければならない時代になったのだ。
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