2024年12月22日( 日 )

御三家合格者の半数以上が英進館出身 数だけでなく合格率でも圧倒的存在へ(前)

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英進館(株)

入塾時は偏差値50以下が多数

 「自立した社会人の育成」を理念に掲げる英進館は、少子高齢化が続く環境下で在籍生徒数を伸ばし、業績も右肩上がりで推移している。2018年の合格実績は全国最難関といわれる灘高校の合格者数は5年連続で日本一。久留米大学附設中・高校、ラ・サール中・高校に至っては、長らく最多の合格者を送り出している。さらに、福岡公立御三家といわれる修猷館高校、福岡高校、筑紫丘高校においては、合格者の半数以上が英進館出身という圧倒的な合格実績を誇る九州最大級の学習塾だ。

 この合格実績からトップ校を目指して英進館へ通う生徒も多いが、入塾当時は約7割の生徒が偏差値50未満だという。同社によれば、「入塾当初は思いもしなかった学校へ合格をはたしていきます。生徒たちの努力の結晶である合格実績こそ、英進館の誇りです」と話す。

テクノロジーを活用し、本来業務の強化を図る

 大学入試改革により20年度に大学入試試験が変わる。英進館では15年からこの状況を見据え、アクティブラーニング対策を行ってきた。つまり、18年の高校受験生は英進館がアクティブラーニング対策を始めた1期生なのだ。「福岡県の入試問題は難化傾向にあり、記述式の出題も増えてきています。18年の試験では5科目共通で対話形式の問題が出題されるなど主体的で対話的な学びにより得られる学びが求められているのです」(英進館)といい、その効果は合格結果に表れた。

 早い段階からアクティブラーニング対策に取り組んできた同社は、筒井俊英社長が率先して小学校へのヒアリングや勉強会への出席、オリジナルの記述式対策模試の作成を行ってきた。これが奏功し、ほかの学習塾との合格率比較では大きく差をつける結果となった。

 また、科目ごとに選抜された5人の教師が本部で予想してきた公立高校入試の平均点、合格ライン予想と並行して、18年からはAIを導入。AIの予想精度は高く、今後の実用化に向け研究を続けていくという。

 AI導入のきっかけは、現場の声だ。入試直後に行われる平均点、合格ライン予想は学習塾にとって欠かせないものである反面、教師は試験後の生徒のケアができないというジレンマも抱えていた。本来の業務である生徒とのコミュニケーションを増やすためにも、AI導入が検討されたのだ。しばらくは並行して続けるが、時間短縮や予想にあたる教師の少数化なども検討しているという。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:筒井 俊英
所在地:福岡市中央区今泉1-11-12 英進館総本部ビル
創 業:1986年12月
設 立:2016年4月
資本金:5,000万円
TEL:092-715-7788
URL:http://www.eishinkan.net

<プロフィール>
筒井 俊英(つつい・としひで)

 1969年6月生まれ。88年久留米大学附設高校卒業、同年東京大学に入学し、92年東大工学部を卒業後、英進館に入社。在職中の95年に九州大学医学部に合格し、2001年に首席で卒業。九大付属病院に勤務後、退職して英進館に復帰。04年11月代表取締役社長に就任。社長業の傍ら、天神本館をはじめ教職員の陣頭指揮を執る。

(後)

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