御三家合格者の半数以上が英進館出身 数だけでなく合格率でも圧倒的存在へ(後)
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英進館(株)
現場を知る経営者の強み
各科目の専門知識力の向上、ひいては授業力・指導力のアップのため、英進館では年に2回、教師向けに科目テストを行っている。新人からベテランまで全員がテストを受けることで、教師たちのやる気を引き出し、お互いが切磋琢磨する環境をつくった。また、保護者と生徒のニーズに応えるため、累計で年7回ものアンケートを実施。生徒および保護者全員に「わかりやすい・わかりにくい」などのマークシート式アンケートだけでなく「子どもの様子」や「不満」「要望」などについて記述式アンケートを行うことで、これをカリキュラムや事業計画に落とし込み、さらなる改善を図っている。
これらのアンケートは教師だけでなく、事務職などの従業員評価にも反映させている。さらに、教場・クラスの成績アップや生徒数増加、合格率アップなど数多くの評価項目があり、500名を超える全従業員の約半数が表彰の対象になっているという。筒井社長は「厳しいだけではなく、懐深く指導するようにしています。授業は非常にうまいのですが、管理能力は多少劣るといった教師を始め、すべての面でパーフェクトな人材は少ないのです」と話す。筒井社長は自ら教壇に立つだけでなく、教場入り口での生徒の出迎えなど積極的に現場に出ることで自社の状況や課題を見つけ、改善を繰り返してきた。人事評価も現場を知っているからこそ、事業をここまでつくり上げることができたのだ。
筒井社長は東京大学工学部を卒業後、英進館に教師として入社したが、3年後に九州大学医学部に入学する。「塾で教師をするなかで、生徒たちに刺激されたのです。生徒たちの成長をみていると、自分も勉強したいと思うようになりました。医学には憧れもありましたので、勉強は楽しかったですね」と筒井社長は話す。
医学部を首席で卒業してからは、医師として九大病院に勤務していたが、創業者で父の現会長の体調不良により英進館に戻ることを決意。「かつての仲間たちがいたから戻る決断ができたと思います。それに、私が医師として救うことができる命には限りがあります。教師として医師を輩出し、彼らが医師として活躍したほうが社会のためになるのではないかと考えました」と英進館復帰への意気込みを語っていた。
2018年から始動N高校英進館クラス
幅広いニーズに応えるため、18年4月からN高校英進館クラスがスタートした。英進館クラスは、テストに合格した生徒が通う選抜制。午前中はN高校のカリキュラムに沿った授業を受け、午後は英進館本部校舎に移動して難関大学受験に特化した授業を受ける(※)。
英進館は「大学進学の能力はあるが、高校に通えない」生徒をどうサポートするか、懸案事項だったという。これまでにも高校を中退した生徒を指導して東京大学合格まで導いた経験もあるため、英進館クラスの指導内容に自信をにじませる。
「将来の担い手を育てる」ため、生徒・教師・職員が一枚岩となって邁進してきた結果、合格実績を築き続け、九州ナンバーワンの学習塾となった英進館。「自立した社会人の育成」という理念により、受験対策だけでなくコミュニケーション力を始めとした人間力育成にも力を入れる英進館ブランドは、今後ますます強固なものになりそうだ。
(了)
※N高校は、出版・インターネット事業のカドカワが設立した学校法人角川ドワンゴ学園が運営する、全国を対象にした広域通信制高校(本部:沖縄県うるま市)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:筒井 俊英
所在地:福岡市中央区今泉1-11-12 英進館総本部ビル
創 業:1986年12月
設 立:2016年4月
資本金:5,000万円
TEL:092-715-7788
URL:http://www.eishinkan.net<プロフィール>
筒井 俊英(つつい・としひで)
1969年6月生まれ。88年久留米大学附設高校卒業、同年東京大学に入学し、92年東大工学部を卒業後、英進館に入社。在職中の95年に九州大学医学部に合格し、2001年に首席で卒業。九大付属病院に勤務後、退職して英進館に復帰。04年11月代表取締役社長に就任。社長業の傍ら、天神本館をはじめ教職員の陣頭指揮を執る。関連キーワード
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