九州地銀の2019年3月期 第2四半期(中間期)決算を検証する(6)
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◆今年1月、首都圏で女性専用の投資用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をサブリースしていた不動産会社、スマートデイズ(旧・スマートライフ、以下SD)が、700人にもおよぶ「かぼちゃの馬車」オーナーに賃料が払えないと通告したことが発端となり、スルガ銀行の不正融資が次々と明らかになった。事態を重く見た金融庁は、4月からスルガ銀行に立ち入り検査を実施。半年後の10月5日、スルガ銀行に設置された第三者委員会の報告を受けて、「銀行法に基づき新規の投資用不動産向け融資の6カ月間停止」を命じた。
【表1】はスルガ銀行の本店がある静岡県の地銀(4行)の消費者ローン残高シェア順位表、【表2】は静岡県地銀の純利益順位表である。【表1】、【表2】を見ていただきたい。
◆1位スルガ銀行の18年9月期の消費者ローン残高シェアは90.4%。2位以下の銀行は30%台となっており、スルガ銀行のシェアが圧倒的に高いのがわかる。
・スルガ銀行の消費者ローン残高は、不正が明らかになったため、前年比▲1,725億円(有担保ローン▲1,595億円+無担保ローン▲129億円)の2兆7,908億円と大きく減少。また事業性貸出金も▲277億円となり、貸出金は前年比▲2,002億円の3兆858億円となっており、3兆円割れも現実味を帯びてきた。
・地方銀行の「優等生」だったスルガ銀行の18年9月期の当期純利益は、シェアハウスをめぐる不正融資に対する多額の引当金を積んだため、985億円の赤字を計上しており、厳しい収益環境となっている。
・静岡県の地銀は4行で、福岡県の5行についで2番目に多いが、スルガ銀行の不正融資がきっかけとなり、静岡銀行を中心に経営統合が進められることになりそうだ。【表3】を見ていただきたい。第二地銀40行の消費者ローン残高シェア順位表である。
◆第二地銀40行のなかで長崎銀行は63.4%で、1位。2位の関西アーバン銀行は47.6%。3位は大正銀行で43.3%。4位の京葉銀行、5位の西京銀行までが40%台となっている。
◆第二地銀のなかで、貸出金が一番少ないのは佐賀共栄銀行の1,827億円。しかし事業性貸出金のシェアは76.0%となっている。
・二番目に少ないのは長崎銀行の2,439億円で、事業性貸出金のシェアは36.6%と最も低い。20年、ともに長崎県に本店がある十八銀行と親和銀行が合併する予定だが、長崎銀行は対抗できるのだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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