2024年12月22日( 日 )

「サブコン」として別次元への挑戦~地元福岡で安定の受注実績

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(株)曙設備工業所

78億円繰越の脅威

 (株)曙設備工業所の完工高(2018年12月期)が40億円を突破した。15年期39億5,000万円から一進一退を繰り返していたが、今期ついに40億5,000万円の完工高で決算を締めることになった。ここで強調したいのは受注繰越残が78億円あるということである。加えること設計中段階で見込まれる工事高を加算すると100億円に達する見込み。この手持工事・契約見込み100億円というのは地場ゼネコン中堅クラス並みだ。

 福岡の設備工事業者として同社は別次元のレベルへ羽ばたこうとしている。同業者の大橋エアシステムという巨大企業は東京でかなりの実績があるが、曙設備工業所の場合、一部で熊本の受注実績はあるものの、地元福岡が90%を占めている。どうして同業者と比較してケタ違いの仕事量を受注できるようになったのか。

 その受注ノウハウは、設計事務所から設備設計を請けることで情報収集の優位を得るというものだ。とくに力を入れてきた分譲マンションの案件では、計画情報が手に取るようにわかる。実際に、福岡における分譲マンションの総戸数の半分以上の工事をこなしているようだ。

マンションの大型化

(株)曙設備工業所 野田 弘之 社長

 ノウハウが優れているといった理由だけでは、別次元クラスの好調の理由として誰もが納得できないであろう。野田弘之社長は至って謙虚に「福岡市の都心部に大型マンションが売り出され、相次いで完売したことでデベロッパーさんが次から次へ企画しているおかげです」と分析する。いまや高層マンションも珍しくなくなり、200~300戸の分譲マンションも続々と販売されている。福岡市東区で売り出されるマンション現場で、同社は創業以来初となる580戸を受注した。請負金額は12億円内外になるだろう。同規模ではないが、そのほかにも大型案件が目白押しだ。

 全国規模の同業者が分譲マンション工事から撤退したことも大きい。セキスイ、大和ハウス、三井不動産などの大手デベロッパーの案件を請ける大手・中堅ゼネコンは設備業者を血眼で探し、行き着いたのが曙設備工業所だ。この10年間、大手のマンション工事で実績を上げてきた。これが別次元に挑戦できる基盤となったのだ。オフィスビルは建物の規模によって必要とされる設備の技術に大きな違いがある。一方、マンションは50戸だろうと500戸だろうと、設備工事に関する技術に差がなく、段取りの要領があれば済む。大型マンションの工事にも怖れを抱くことはなかった。

 そこに地元デベロッパーも大型案件を開発し始めた。すでに実績がある同社に仕事がまわってくるのは自然の流れだ。別次元への挑戦について野田社長は「私たちサブコンはあくまでもゼネコンさんの下請です。得意先の信頼を裏切らず仕事をこなすだけです」と、淡々と決意を語ってくれた。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:野田 弘之
所在地:福岡市早良区田村4-15-10
設 立:1982年2月
資本金:6,000万円
TEL:092-801-7247
URL:http://kk-akebonosetsubi.com

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