石村萬盛堂、休業の本店不動産を昨年12月に売却～会長夫妻は17年末役員を退任

　今月14日に本店を休業する石村萬盛堂が2018年12月に本店不動産を売却していたことがわかった。

　石村萬盛堂は18年11月に19年1月14日をもって本店を休業することを発表。同社によると休業は「建替え」を理由とし、休業期間は20年10月までの2年弱におよぶと対外的に告知していた。石村萬盛堂本店は博多祇園山笠の「廻り止め」（ゴール地点）としても知られる博多の名所の1つ。

　一部報道では旧本店跡地に9階建てのビルを新本店として建築するとしていたが、同地は18年12月14日に三菱UFJ信託銀行を受託者として信託されている。受益権者は（同）SI開発（東京都千代田区）。同日付で本社不動産の石村萬盛堂を債務者とする金融機関からの担保設定は抹消されている。

　役員構成を確認したところ17年12月に石村善悟会長と会長の妻・一枝取締役が役員を退任していたことがわかった。石村善悟氏は1979年に社長に就任、以降38年に渡り石村萬盛堂をけん引し、地場トップクラスの規模を確立した。2017年7月に長男善之亮氏に社長を譲り、自身は代表権のある会長に就任していた。一枝氏はマシュマロデー（後のホワイトデー）を考案するなど卓抜した企画力を発揮した。

　長年に渡り同社を繁栄させてきた両氏の退任により、今後は善之亮社長と弟の慎悟副社長が経営のかじ取りを行うことになる。

＜COMPANY INFORMATION＞
（株）石村萬盛堂
代　表：石村善之亮
所在地：福岡市博多区須崎町2-1
設　立：1949年2月
資本金：9,500万円