2024年11月23日( 土 )

「携帯料金は4割値下げ余地がある」~菅官房長官の発言を検証する(下)

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【表1】を見ていただきたい。日本を代表するトップテン企業の売上高および当期純利益の順位表である。

~この表から見えるもの~
2.日本の売上高トップテンの経営成績   
(1)売上高について 

◆トップテン企業の18年3月期の売上高計は前期比+6兆140億円の127兆1,742億円(前期比5.0%増)と好調を持続しているのがわかる。
・1位はトヨタで前期比+1兆7,823億円の29兆3,795億円(前期比6.5%増)となっており、2位ホンダのほぼ倍近くあり、圧倒的な強さが目立つ。
・2位はホンダで15兆3,611億円(前期比+1兆3,619億円)。次いで3位日本郵政、4位日産、5位日本電信電話、6位のJXTGホールディングスまでが10兆円超の企業となっている。以下、7位日立製作所、8位ソフトバンクグループ、9位ソニー、10位イオンとなっている。
◆3位の日本郵政だけが前年比▲4,061億円(3.0%減)となっている。売上高比率が大きく増加しているのはソニーで前年比+9,407億円(12.4%増)。次がJXTGホールディングスで、前年比+1兆514億円(11.4%増)となっており、この2社が10%を超えている。

(2)当期純利益について
◆トップテン企業の18年3月期の当期純利益計は前期比+2兆1,124億円の7兆9,496億円(前期比36.2%増)と好調を持続しているのがわかる。とくに売上高は8位で、順位は2位から3位に下げたものの、当期純利益は1兆390億円(前期比▲3,873億円)と、1兆円を確保しているソフトバンクグループの収益力が群を抜いているのがわかる。

(3)当期純利益の売上高比率について
◆トップテン企業の売上高に占める当期純利益の平均比率は6.3%となっているが、このなかで比率が一番高いのはソフトバンクグループで、11.3%と平均比率のほぼ倍となっている。一方、消費生活に密着しているイオンは0.3%であり、その差は11%。その落差も携帯料金値下げコールの根拠の1つとなっているようだ。
【表2】を見ていただきたい。携帯3社とトップテン企業との売上高に占める当期純利益比率表である。
~この表から見えるもの~
◆携帯3社の売上高に占める当期純利益率(売上高比率)は12.9%。それに対してトップテン企業は6.3%で、携帯3社はその倍以上となっている。この数字こそが安倍内閣が4割の値下げを求める客観的な証拠といえるのではないだろうか。

3.まとめ
【表3】を見ていただきたい。
(A)携帯料金4割値下げのケース
(1)は携帯料金を40%(営業利益50%・当期純利益60%)引き下げた場合の経営成績推移表である。
~この表から見えるもの~
◆携帯3社の売上高に対する当期純利益比率は8.6%でトップテン企業は6.3%。その差は1.3%あり、「菅官房長官の4割下げる余地がある発言」の理論的な根拠となっているようだ。
(B) 携帯料金5割値下げのケース
(2)は携帯料金を50%(営業利益60%・当期純利益70%)引き下げた場合の経営成績推移表である。
~この表から見えるもの~
◆携帯3社の売上高に対する当期純利益比率は7.8%。トップテン企業は6.3%であり、その差はまだ1.5%ある。携帯電話料金は4割ではなく、5割下げてもまだゆとりはある。思い切って5割値下げを実施して一般企業の仲間入りをすることがベターな選択ではないだろうか。
 今年10月から楽天が新規参入する予定となっており、それまでに携帯電話料金の値下げは本格化することになりそうだ。

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(了)
【㈱データ・マックス顧問 浜崎裕治】

(上)

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