新生SECCON~国際大会で第1位-第3位を日本勢が独占!(中)
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死闘を征し第1位を獲得したのは、日本チーム「TSG」
――ここからは内容・詳細に入っていこうと思います。まず、何と言っても国際大会です。花田新SECCON実行委員長をまるで祝うかのように、SECCON史上初めて、第1位-第3位を日本勢が独占しました。
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CTF決勝(2018)国際大会上位6位(攻撃ポイント+防御ポイント)
1位 TSG(日本) 7,384点(5,300+2,084)
2位 NaruseJun(日本) 7,196点(6,200+996)
3位 urandom(日本) 7,185点(6,100+1,085)
4位 CodeRed(韓国) 7,152点(6,400+752)
5位 217(台湾) 6,976点(4,600+2,376)
6位 noraneco(日本) 6,134点(6,100+34)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花田 今回のオンライン予選では、80カ国以上から約1,400のチームに参戦いただきました。国際大会の決勝に駒を進めたのは15チームです。内訳はオンライン予選上位12チームと、ASEANの連携大会からの招待チーム「PDKT」、台湾の連携大会からの招待チーム「n5y5u1d5@AIS3」、前回優勝の韓国チーム「CyKor」の3チームです。国別の内訳では、韓国5チーム、日本4チーム、台湾3チーム、中国、ウクライナ、インドネシア各1チームで、強豪チームが揃いました。そのため、ここ2、3年続いた、先行逃げ切りではなく、1日目の午前・午後、2日目の午前・午後と順位が目まぐるしく変わりました。
死闘を征し第1位を獲得したのは日本チーム「TSG」で、経済産業大臣賞の栄誉に輝きました。(TSGは東大駒場の教養学部に拠点を置き、学部生を中心に、情報科学、論理学、セキュリティ、機械学習など多岐にわたる活動をしている伝統的なサークル。ただし、米国のカーネギーメロン大学の名門チーム「PPP」や韓国の高麗大学校の名門チーム「CyKor」のようなHacking Clubではない)さらに、第2位も日本チーム「NaruseJun」、第3位も日本チーム「urandom」という快挙を成し遂げました。
これまでの「SECCON CTF国際大会」では、韓国からきたチームが5連覇しておりました。関係者の事前予想では韓国、台湾、中国(強豪「Blue-Lotus」はオンライン予選第1位)が上位を独占すると考えられていました。私は全体の責任者だったので、CTFに関しては、途中経過を気にしている余裕はありませんでした。しかし、何とか、日本チームも入賞してほしいという気持をもっていましたので、今回の結果はとても嬉しく思っています。
今回の結果は日本チームの実力が向上した証だと思います
2012年に日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)のなかに、「SECCON実行委員会」が組織され、活動を開始してから約6年が経過しました。その歩みのなかで、CTFというものが世の中に広く知られるようになり、学校や企業のなかにも、CTFサークルができるようになってきました。今回の結果は日本チームの実力が向上した証だと思います。今後も継続して、学校や企業のなかに、情報セキュリティの文化・風土が根付いていくことを期待しています。
国内大会優勝は「dodododo」、文部科学大臣賞は「m1z0r3」
――続いて、国内大会です。前回優勝の「TokyoWesterns」が不在の中、熾烈なバトルが展開されました。エピソード、感想などはありますか。
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CTF決勝(2018)国内大会上位3位(攻撃ポイント+防御ポイント)
1位 dodododo 1,743点(1,000+743)
2位 Bluemermaid 1,455点(1,000+455)
3位 killswitch 1,407点(1,000+407)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花田 決勝に駒を進めたのは、オンライン予選上位から12チームと連携大会からの招待3チーム「Harekaze」(「SECCON2018×CEDEC CHALLENGE」から)、「insecure」(「KOSENセキュリティコンテスト2018」から)、「ynuctf」(「SANS NetWars Tournament2018」から)の計15チームで争われました。新王者に輝いたのは「dodododo」です。同チームは昨年、国際大会で第3位に入賞した強豪チームです。
文部科学大臣賞(国内大会に出場した一番優秀な学生チーム)は「m1z0r3」、文部科学大臣・個人賞は「Harekaze」のst98さん(出場した学生のなかで、一番多く攻撃ポイントを獲得した)が受賞しました。
「SECCON2018×CEDEC CHALLENGE」はゲームに特化したセキュリティに関する総合力を争う大会です。どちらかといえば、オンライン予選を勝ち抜いた方が受賞するのではないかと考えていました。しかし、「SECCON2018×CEDEC CHALLENGE」の勝者が、「SECCON2018」CTFで活躍できたことで、CTFにはコンピューターサイエンスなども含めて、幅広い知識が必要ということを改めて認識させられました。
また国内大会第5位の「insecure」は国立奈良高専のチームです。「KOSENセキュリティコンテスト」では、高専卒業生の方を中心にCTFの問題をつくっていただいています。高専は国立だけで全国50校以上あり、サークル活動などを通じてもCTFに関する取り組みが進んでいます。これから、ますます大きな活躍が期待されます。
(つづく)
【金木 亮憲】<プロフィール>
花田 智洋(はなだ・ともひろ)
千葉県生まれ。大学院卒業後、大手ITベンダーに勤務し、銀行基幹系システムの開発にプロジェクトマネージャーとして携わる。かたわら、本業以外の活動として九州で情報セキュリティコミュニティを立ち上げ、『ばりかた勉強会』やイベントなどを主催。2017年からは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の主任研究技術員として、ナショナルサイバートレーニングセンター3大事業のCYDER,SecHack365, CYBER COLOSSEOなどに携わる。2018年3月SECCON実行委員長に就任。関連記事
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