冷厳vs滑稽~福岡県知事選の栄冠はどちらに輝くか
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福岡県は経済産業省の植民地
ある自治体での一コマ。経済産業省のことに精通している幹部が「九州経済産業局・塩田康一局長の最大のミションは小川洋知事の3選を達成させることだ」と喝破した。「あーそうか! 経産省は福岡県を同省の植民地・利権の拠点と把握しているのだ!」という冷厳たる事実を再認識した。
確かにそうである。かつて麻生渡氏が福岡県知事を4期務めた。同氏は周知のとおり経産省OBで特許庁長官を経てめでたく福岡県知事のポストを得た。麻生氏は後継に京都大学の後輩であり、経産省でも後輩にあたる小川洋氏を選んだ。この時点では麻生氏は「自分を育ててくれた恩義のある経産省の指定ポスト=植民地・福岡県を他者(他省)には渡さない」と当然の如く冷厳の選択をした。
冷厳なる事実を見るべきである。経産省OBが6期に渡って福岡県知事職を押さえてきたという事実。この利権の巣を手放さないようにするのが官僚出身者の思考・行動パターンであるのは言うまでもない。塩田局長もまだまだ上を目指せる年齢である。今後のキャリア構築を考えれば、経産省の先輩である小川知事の3選を実現させることこそ至上命題であり、栄冠をつかむために必死になることは当然なのだ。
自らの出身組織に歯向かう麻生渡氏
小川知事誕生の最大の功労者である麻生渡氏は、今回の選挙では対立候補の武内和久氏の応援会長に就くことが発表されている。小川陣営と激突する陣営の選挙支援でトップとして旗振りを行うのである。小川知事との仲たがいは些細なことのようだが、一度は福岡県のトップに上り詰めた麻生氏にとって勘弁できなかったようである。
武内氏の出身母体は厚生労働省である。麻生氏が、自分とは違う省の出身者を応援することを決断したことに驚異の念を抱く。「滑稽な選択だ」という指摘もある。経産省の九州トップにある塩田局長と大先輩の麻生渡氏とが相まみえる福岡県知事選挙という観点から捉えるのも面白い。
さーて、どちらが栄冠を握ることができるのか。注目、注目。
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