2024年11月23日( 土 )

ネパールの子どもたちに教育の光を(前)

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NPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会 理事長 篠隈 光彦 氏

ライオンズの力でネパールに学校を

 福岡博多東ライオンズクラブ(LC)が創立30周年記念事業として始めたネパールでの人道支援は、小学校建設を通して子どもたちに教育の機会を提供するとともに、経済的に自立するための地域振興策としてコーヒー豆栽培まで支援し、着実に成果を上げている。これまで、どのように地域に寄り添い続けてきたのか。実施機関であるNPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会と、振興会の理事長として事業に携わってきた篠隈光彦氏の活動からこれまでの歩みを振り返る。

開校式の様子

 1997年、クラブ会員・山崎広太郎氏(98年に福岡市長に就任)が、候補地の選定のためネパールを訪れたことが始まりだった。当時のネパール国民の識字率は40%程度と低く、村人たちも貧困から抜け出すためには、教育の充実が不可欠だと考えていた。子どものための学び舎をつくることは切実な願いだったのである。

 山崎氏から報告を受けた博多東LCは、ニルマルポカリ村に小学校を建設することを正式決定するとともに、福岡・ネパール児童教育振興会(以下ネパール振興会、2002年にNPO法人に組織変更)を発足させた。理事長には、篠隈興産(株)代表取締役・篠隈光彦氏が就任。篠隈氏は、博多東LCの第29代会長を務めており、30周年記念事業として海外での支援活動を発案した人物でもある。

ネパール名誉領事任命状伝達式。写真中央が篠隈氏

 1999年1月に校舎が完成。村に贈呈された学校の校名は「福岡ニルマルポカリ小学校」。同時に、現地での学校運営の主体となる学校運営委員会(SMC)を立ち上げた。開校はネパールの新年度が始まる7月。計117名の生徒を受け入れ、職員は校長ほか6名の体制で臨んだ。

 しかし、1年後には開校時117名の生徒のうち47名が留年するという問題に直面した。自給自足の暮らしを続ける村では、子どもであっても重要な労働力とみなされる。農繁期など忙しい時期になると、家の仕事や家事を手伝うことを優先し、生徒ばかりか教師も学校を休むというのが村の現実であった。そこで次年度から「学校に行こう」をスローガンに掲げ、SMCが主体となって家庭訪問を重ねながら、親や子どもの意識を変えようと働きかけた。先生や子どもたちの努力の甲斐もあって、翌年には出勤率、出席率ともにネパール水準をはるかに越えるまでに改善した。成績も上がり、留年生の問題も解消されていった。

 生徒たちの成長につれ、ネパール側の要望に応えて教室の増築も行われる。それには福岡の核ライオンズクラブからの手厚い支援もあった。
 2001年3月には、福岡にネパール名誉領事館が開設され、篠隈光彦ネパール振興会理事長は初代名誉領事に任命された。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
理事長:篠隈 光彦
所在地:福岡市中央区赤坂1-12-6
設 立:2002年2月
TEL:092-712-4351

<プロフィール>
篠隈 光彦(しのくま・みつひこ)

1941年11月生まれ。不動産賃貸の篠隈興産(株)の代表取締役を務める。本業以外には、博多東ライオンズクラブの第29代会長を務めた。現在はNPO法人 福岡・ネパール児童教育振興会の理事長を務めるなど、精力的に活動している。

 

 

(後)

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