注目集めるNY・ブルックリンで日米の文化が融合する新たな活動拠点を(前)
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MIRROR IN THE WOODS
世界の経済、商業、文化、ファッション、エンターテインメントなどに多大な影響を与え続けている、アメリカ最大にして、世界の最先端を行く都市・ニューヨーク。そのなかでも今、注目を集めているエリアが「ブルックリン」だという。そのブルックリンで、世界的な建築家の有馬裕之氏が挑戦しているプロジェクト「MIRROR IN THE WOODS」とは―。
飽和するマンハッタン
アメリカ最大の都市圏人口をもつニューヨーク市の中心であり、多くの人種が混在し “人種のるつぼ”とも称される「マンハッタン」。ハドソン川河口部に位置するマンハッタン島を中心とした同都市は、5番街やタイムズスクエアなどの繁華街があるほか、世界を代表する金融街・ウォール街があり、多数の超高層ビルが密集する“摩天楼”と呼ばれる象徴的な景観でも知られる。そのほかにも、広大なセントラルパークや、劇場街であるブロードウェイ、超高層ビル「エンパイア・ステート・ビルディング」など、一般的に「ニューヨーク」といった場合、多くの人がイメージするのが、このマンハッタンの景観であろう。全世界で最も影響力がある都市といっても過言ではないニューヨークのなかでも、一際目立っているのがこのマンハッタンだ。
そんなニューヨークを象徴し、世界中の多くの人々が憧れてやまない都市マンハッタン。だが、世界中に活躍の場を広げている建築家の有馬裕之氏は、そのマンハッタンの現状を“飽和状態”と評する。
「私もニューヨークに行った際には、SoHoやワールドトレードセンターのテロの跡地、アッパーイースト、ハーレムなどいろいろと見て回ってみるのですが、マンハッタンは全体的にかなり煮詰まってきているという印象を受けます。“摩天楼”などの超高層ビル街に代表されるように“ハイライズ”してしまっていて、すでに都市として開発の余地があまり残されていません」(有馬氏)。
そんな有馬氏が現在、ニューヨークのなかで注目しているエリアは「ブルックリン」だ。
個性豊かなブルックリン
ブルックリンは、ニューヨーク市の5つの行政区の1つで、マンハッタンの南東に位置し、個性豊かな移民のコミュニティが点在する活気あふれるエリア。マンハッタンとは違った独特の文化の発信地としても名高い。以前は治安が悪く、貧困層が多く住む地区というイメージのエリアだったが、近年は倉庫を改装したおしゃれなホテルや、こぢんまりとした個性派レストラン、地元密着型のオーガニックフード店や書店、最先端の流行を発信するショップなどが続々とオープンし、一躍注目を集めるエリアとなっている。
「今、ニューヨーカーたちも、ハイライズされてしまった都市部のマンハッタンから周辺部に移動することで、もっと違う価値観を見出そうとしています。ブルックリンは、まだまだこれから住環境としても成り立ちますし、アートなどさまざまなコラボレートができるゾーンとして、皆が注目しているエリアです」(有馬氏)。
ビジネス至上主義やリッチテイストが色濃いマンハッタンとは異なり、のどかで気張らない雰囲気が今なお残されているブルックリン。近年はニューヨークのなかでも、ここが最もホットなエリアだとされている。
(つづく)
【坂田 憲治】▼関連リンク
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