福島県の汚染土、再利用はまだ先?
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各報道機関による東京電力福島第一原発事故後の汚染土の報道が物議を醸している。
報道によると、福島県内の除染によって発生した汚染土は、1,400万m3以上になるという。国は放射能濃度が基準値以下の汚染土については、「99%再利用可能である」としている。さらに環境省が、「常磐自動車道の拡幅工事で、汚染土を盛り土として再利用する。市内の仮置き場にある約1,000m3の汚染土を道路拡幅の基礎に使い、その表面を汚染されていない土で覆う」と計画していることが明らかになっている。
その報道直後から、地元住民から「事実上の最終処分場になりかねない」など不安の声があがり、大半が反対の意向を示している。2月27日には、同県南相馬市の門馬和夫市長あてに地元住民3,055人分の汚染土再利用反対署名を提出した。
環境省にこの案件について取材したところ、「現在、省の立場から、詳細についてはお答えしかねる」という回答だった。
土壌再生の専門家によると、「環境省が今すぐ再利用するかのような報道があるが、それは絶対にない。今後、何度も汚染土の調査をしながら、慎重に進めていくだろう。現に、プラントなどの設備がまったくない状態で、道路の盛り土など公共事業に再利用することはない。まだまだ先の話」としている。
同省は、処分場のキャパシティーを考え、汚染土の最終処分量を減らすことを主眼として汚染土の再利用を進めている。汚染土の再利用については、受け入れる自治体も存在するものの、放射能での健康被害などに対する住民の不安が大きく、難航している状況である。
汚染土問題は福島県だけの問題ではなく、日本全体で取り組んでいかねばならないことは明白だ。放射能濃度をさらに低くする技術革新も進められているという。「ウチにはもってくるな!よそで処分してくれ!」「汚染土の再利用などもってのほか。絶対に利用することはならん」とする人の心情は察して余りある。あの甚大な災害の当事者なら誰もが、拒絶するであろう。それでも汚染土を放置することはできず、再利用するか最終処分することで、解決するしかない。
最大限安全性を担保するための実証研究をさらに行い、より多くの国民の理解を得ることが急務だ。
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