2024年11月24日( 日 )

TOTO、ノリタケら森村グループ4社、新型燃料電池で合弁会社設立を発表~資本・人員の関係薄くも技術開発で結集

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 TOTO(株)ら4社は、酸素と水素を反応させることで発電する固体酸化物型燃料電池(SOFC)に関する合弁会社を設立することで合意した。各社はこれまでそれぞれにSOFCに使うセラミックス製の部材を研究、開発してきた。

 ほかの3社はノリタケカンパニーリミテド(株)と日本ガイシ、日本特殊陶業。TOTOを含めたこの4社は森村グループと称され、日本最大のセラミックス企業グループとの呼び声も高いが、これまで事業での関係はほとんどなかった。

 同グループの発祥は戦前期に遡り、商社・森村組(現・森村商事)と日本陶器(名)(現在のノリタケカンパニーリミテド)を中核に財閥を形成していたが、戦後にGHQからの強制解体を避けるため自主的に株を売却、各社は独立経営に転じた。

 その後の資本関係は経営に影響をおよぼすほどではなく、2018年3月期の各社の株式の持ち合い割合はいずれも5%に満たない。1990年代後半には電子部品の分野などへ事業が拡大したことで競合関係になったことから、役員の兼任もなくなり、グループとしては各事業部で情報交換をするといったかたちにとどまっていた。

 SOFCは現在開発されている主要な燃料電池のなかで最も発電効率が良い方式だとされている反面、運転時の温度が700℃以上になることから熱に強いセラミックス部材が使用されている。出力は1kwから10万kwと幅広く、小型化も容易なことから業務用・産業用だけでなく家庭用にも期待される。

 4社は今回の合弁会社設立に際して「商品化・実用化への課題は低コスト化と高耐久化」としており、事業化に向けて協力していく考え。

 合弁会社は12月にも愛知県小牧市にある日特陶の工場内に設立するとしている。

【小栁 耕】

 

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