民間シンクタンクは最大約81兆円と試算、経産省試算の約4倍~「原発は安価」は本当か
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東日本大震災から8年が経過しているが、いまなお5万人以上が避難を余儀なくされ福島第一原子力発電所の処理が進められている。
7日、(公社)日本経済研究センターが2年ぶりに発表した事故処理費用の試算が経済産業省試算の約4倍となったことで波紋を呼んでいる。2016年12月に同省が発表した試算は約22兆円という規模。うちわけは廃炉・汚染水処理に約8兆円、賠償に約8兆円、除染に約6兆円。同センターによる試算は約51兆円、約10兆円、約20兆円として合計を約81兆円とおいている。
これだけの大きな違いが出たのはなぜか。試算に携わった同センターの小林辰男主任研究員は、汚染水処理の問題で立場が大きく異なるとする。現在、政府はトリチウム汚染水は希釈して放出するように進めているが、漁業者の強い反対を受けている。今回の試算ではトリチウムを取り除く処理を行った場合とそうでない場合、さらに汚染水の処理を先送りする、いわゆる「閉じ込め策」についてもそれぞれ以下のように推計している。
また、小林主任は、「政府は、原子力は大切だというが、何もしていない。原発について推進でも反対でもない、思考停止のようにみえる」と指摘。「福島第一原発の処理をどうするかを真剣に議論しなければ、いつまでも解が出ない」と懸念を示した。
今回の発表資料では「原子力発電と再エネの将来予測を含めた費用対効果の比較がなされていない」とし、「技術進歩を勘案すると、『再エネは割高』という日本国内での“常識”がいつまで継続するか、わからない」と現状に疑問を投げかけている。
【小栁 耕】
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