2024年11月22日( 金 )

佐世保市の大型入札 九電工辞退で中止

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 3月20日、佐世保市教育委員会は事業者選定が進んでいた大型公共事業を中止すると発表した。同事業は、佐世保市内の全小中学校の教室(計903室)にエアコンを設置するというもので、設計施工一括方式を採用し、採用された事業者が一括して請け負う。

 応募した企業グループの代表企業「九電工」が事業参加を辞退したためとみられる。応募は九電工を筆頭企業とする1グループのみで、辞退と同時に公募が中止されたかたち。

 佐世保市教育委員会によると、20日応募したグループから辞退届を受け付けた。辞退理由は聞いていないし、求めていない。再公募については、早期に行いたいため、条件面の変更はほとんどないという。

 「応募者辞退による中止」――市民目線でみれば、児童生徒に快適な環境を整えることが遅れることになるが、辞退理由も尋ねないのはいかがなものか。参加表明しただけの段階といっても、説明責任はあるのではないだろうか。条件面の変更なく「可能ならば22日までに再公募する」というが、そもそも1グループしか応募しなかった公募にすぐさま応募する企業が現れるのかも疑問である。

 九電工は今月9日に、行橋営業所所長が官製談合の疑いで逮捕。福岡県内を始め、隣県自治体でも公共工事への入札参加停止措置が発表されていた。本日、20日には長崎県でも指名停止が発表された。佐世保市は「指名停止検討中」(20日15時時点)。一連の事態を受けて、九電工は辞退したものとみられる。

 同事業予算は約27億円で、同市内の空調設置工事では「聞いたことがない規模」(関係者)という。すでに設置が進む長崎市や五島市などでは、市内エリアを数ブロックに分けて、複数発注しているという。

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【東城 洋平】

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