2024年11月05日( 火 )

窮地のライジングゼファー~救世主現れるも今後も多難(4)

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ライジングゼファーフクオカ(株)

神田氏の続投で良いのか

 Bリーグから通達された期限である4月29日までに救世主が現れた。2019~20シーズンは、B2リーグに参加できるB2ライセンスの交付が決定し、最悪の事態が回避されたのだ。その救世主とは、(株)やずや、(有)アカナファミリージャパン、個人投資家・皆木研二氏で、ゼファー球団の株主となり資金面をサポートすることが明らかになった。そのほかクラウドファンディング(3,000万円の目標値に対して1,109万5,900円の支援)や募金などファンの熱い支援があったことも含まれての今回の結果である。福岡県には、福岡第一高校や福大附属大濠高校など、全国大会で優勝経験のある高校が複数ある。さらに中学校やミニバス(小学生)でも全国優勝するチームがあることから、高校段階までは「バスケット王国」の名を欲しいままにする福岡県からプロバスケットボールチームが消えなかったことに安堵する県民は多い。

 今回のB2ライセンス交付が決定したことについて、神田社長は一連の事態についてお詫びし、次のように声明を発表した。

 「個別にお名前を挙げきれないほど多くの方の支えが、この20日間ありました。本当に感謝しております、ありがとうございました。皆さまのお陰様でスタートラインに立たせていただきました。この1年の反省をいかし、『喉元過ぎても決して熱さを忘れぬよう』永く続く愛されるクラブをゆっくりと育てていきたいと思います。改めまして、この度B2に私の責任で降格させてしまったことについて謝辞を申し上げますとともに、この度支えてくださったすべての皆様に心より御礼申し上げます。今後ともライジングゼファーフクオカをよろしくお願い申し上げます」

 はたして、今回の件はこれで「一件落着」となるのだろうか。

 「今回の資金ショートについては、神田氏の責任は非常に重いです。神田氏1人だけが原因ではありませんが、神田氏に経営者としての能力が欠落していたことは明らかです。神田氏が引き続きゼファー球団の社長を続けるのは、どうなのでしょうね」と首をひねる複数の経営者がいることはたしかだ。新たな株主である上記3社(者)が神田氏の続投を要請したと報道されているが、はたして真実なのだろうか。3社(者)へその真偽のほどを確認するために質問状を出しているが、5月7日時点で回答はない。

 今後ゼファー球団は、経営そのものを再建していかねばならない。Bリーグが公表する資料によると、2017~18シーズンのゼファーの売上高は3億6,814万円(18年6月期)。うちスポンサー収入は2億7,300万円で、収入の74%を占める。一方で、人件費が2億円を超えている。これらの数値はB2時のものである。今期のB1でのシーズンにおいては、さらに球団の人件費が増大していることが予測され、営業利益段階での赤字は避けられないだろう。はたして神田氏の経営能力で適正な球団マネジメントができるのか。

 また、所属選手14名中8名が自由交渉選手リストに掲載されており、ゼファーとの契約更新は現況ない。この8名と再交渉するのか、新たな選手を探して交渉するのかは定かではないが、神田氏が社長を続投する球団を選手が信頼することができるのか、はなはだ疑問でもある。まずは神田氏がゼファー球団の社長を退くことが再建の一歩となるのではないか。

(了)

【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:神田康範
所在地:福岡市博多区比恵町16-26
設 立:2007年5月
資本金:4,800万円
TEL:092-409-4887
URL:https://r-zephyr.com

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