【スクープ】「塩田大介」が福岡を拠点にねらう、企業主導型保育事業の闇(1)
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■黒い紳士が暗躍する保育事業
待機児童解消の切り札と期待された国の制度が、助成金支給審査の甘さに付け込んだ黒い紳士の「引き出し自由なATM」として使われていることがわかった。
疑惑の渦中にあるのは、株式会社WINカンパニー(登記上本社:福岡市早良区西新/実際は同市博多区吉塚)。同社は企業主導型保育所のコンサルタント事業と、保育チェーン「KIDSLAND」(キッズランド)を全国展開している。このうち、WINカンパニーの主要事業である国からの助成金を使った企業内保育所立ち上げにあたって複数の詐欺的行為が行われていたことが、データ・マックスの調べで明らかになったのだ。WINカンパニーがコンサルタントとして関わった案件では、保育所設置企業や施工会社などに代金が支払われないなどのトラブルも相次いでおり、福岡だけでなく関東でも集団訴訟の準備が進められていることもわかっている。
これら一連の疑惑の黒幕的人物が、WINカンパニーの代表者である川﨑大資氏(51)だ。この川﨑と名乗る大阪府出身の男性は、かつては違う名前で「その筋」で有名な人物だった。
「塩田大介」――川﨑大資氏が少なくとも2013年ごろまで名乗っていたのがこの名前だった(2016年ごろは「潮田大輔」と名乗っていた時期もあり)。塩田大介氏はかつて不動産業界ではかなり名前の知られた人物だった。マンションデベロッパー・ABCホームの会長を務めていた2008年に法人税法違反で有罪判決を受け、競売入札妨害では実刑判決(2013年)を受けている。2017年に積水ハウスが東京・五反田の一等地約600坪をめぐって地面師グループに約63億円を騙しとられた事件の主犯格、「カミンスカス操」被告(小山操または小山武/昨年12月にフィリピンで逮捕)の盟友としても知られる札付きの人物だ。
■児童育成協会は「詐欺で刑事告訴も視野に」
本業にも増して有名だったのが、凶悪な半グレ集団・関東連合との交際や、横綱・朝青龍引退の引き金にもなった殴打事件(2010年)でも名前が取りざたされた「夜の顔」だ。タレントのGacktや酒井法子などの芸能関係者から有名スポーツ選手まで、新築マンションの売れ残り物件転売で得た豊富な資金をバックに一時期は華麗な人脈を誇示していたものの、資金繰り悪化と同時に華麗な夜の人脈も途絶えたとされている。その塩田大介氏が一発逆転を狙って目をつけたのが企業主導型保育事業だったのだ。
福岡の案件だけでも、わかっているだけで数億円の使途不明金が発生しているとみられ、直接の被害者である助成金支給の審査機関「公益財団法人 児童育成協会」はデータ・マックスの取材に対して、「助成金返還訴訟と同時に、詐欺事件としての刑事告訴も視野に入れる」としている。
【特別取材班】
(つづく)関連キーワード
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