2024年11月22日( 金 )

【スクープ第5弾】自民党二階派・秋元司内閣府副大臣が塩田氏の企業主導型保育事業に「口利き」か~塩田氏が秋元副大臣のパーティー券を大量に売りさばく

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 

■塩田大介氏の背後に「内閣府副大臣」

 川﨑大資こと塩田大介氏がコンサルティングする企業主導型保育事業について、塩田氏とコンサルタント契約を結んだことのある企業経営者はこう語る。

 「企業主導型保育事業を利用した保育所開設で助成金申請したもののいくつかが、(審査機関である)児童育成協会で止まっていたことがあったんです。でも、塩田氏や塩田氏の部下が育成協会に接触するとなぜかそれが動き出すんですよ。塩田氏は企業主導型保育事業に興味を持った企業にプレゼン(提案)する際には、『この事業は立ち上げ段階から自分が関わっている』とも話していましたから、当時は『政治家にも顔の利く、すごく力のある人なんだな』と思っていましたね」

ABCホーム会長時代の塩田大介氏(左/アクセスジャーナルより)と、「川﨑大資」を名乗る現在の塩田大介氏

 この企業経営者は塩田氏から、自民党二階派で内閣府副大臣を務める秋元司衆院議員(47)を紹介してもらい、昨年10月に東京事務所で秋元議員に会ったことがあるという。内閣府は企業主導型保育事業を主導・所管しており、秋元副大臣はいわば同事業の「総元締め」に近い立場。企業主導型保育所を開設したいと考える企業経営者にとって、塩田氏が秋元副大臣を紹介できる立場にあることが魅力的に映るのは当然ともいえる。

 じつは、塩田氏に被害を受けた企業経営者のなかには、「川﨑大資」と名乗る人物が、かつて競売入札妨害で実刑判決を受けたABCホーム元会長の塩田大介と同一人物であることを薄々感じながらも付き合いを続けていた者が複数いる。「うさんくさい」とわかっていながらも継続して関係を持ち続けたのは、塩田氏の背後に「内閣府副大臣」という強力な政治力を見せつけられたが故だったのだ。

「秋元先生に会っていろいろお願いごとをしたのですが、帰り際に秋元先生が、『あいつ(塩田氏)、ちゃんとやってんの?』と笑いながら聞いてきたので、2人はかなり親しい関係なんだなと感じました」(前出、企業経営者)

■秋元司内閣府副大臣のパーティー券を大量にあっせん

 秋元司内閣府副大臣と塩田氏の関係は確かに「浅い」とは言えなさそうだ。なぜなら、秋元副大臣の政治資金パーティー券を塩田氏が売りさばいていたと、何人もの関係者が証言しているからだ。実際、秋元司後援会の平成29年(2017年)分収支報告書に掲載された複数の政治資金パーティーで、塩田氏や塩田氏の関係者からパーティー券のあっせんを受けたと証言する企業関係者の名前を確認することができる。塩田氏が仲介して購入されたパーティー券は少なく見積もっても250万円分にのぼり、秋元副大臣との関係の深さをうかがわせる。

塩田氏からパーティー券を購入した企業経営者名が掲載された、秋元司後援会の収支報告書(2017年分)
※クリックで拡大

 

 秋元副大臣のパーティー券を購入した都内の企業経営者は、「塩田氏の資金の流れを管理する青木誠敏氏が代表を務める、『全国子ども保育促進機構株式会社』のY(現在は在籍せず)という男性から秋元代議士のパーティー券を購入してくれと頼まれて、100万円分近くを数社で分けて購入しました。Y氏は当時、『うちの川﨑(塩田)は表に出られない事情があるので、自分がパーティー券をさばいている』と話していましたね」。

 2016年度から18年度まで、企業主導型保育事業に付けられた助成金の予算総額は約3,800億円にものぼる。この巨額の助成金をめぐって、秋元副大臣が塩田氏のような札付きの「ワル」から依頼を受けて、「無理筋」の申請を通すように児童育成協会に働きかけを行っていたとすれば、安倍政権を揺るがすスキャンダルに発展することは間違いない。たとえ具体的な指示がなかったとしても、内閣府副大臣から「あの件はどうなっているのか」と問い合わせがあるだけで児童育成協会の担当者が委縮・忖度するだろうことは、森友学園・加計学園疑惑における「忖度」と同じ構図なのだ。

自民党二階派の衆院議員、秋元司・内閣府副大臣(秋元副大臣のFacebookより/写真左の人物と本記事は関係ありません)

 秋元副大臣については今年4月、東レの巨額不正取引事件に関与して1億2,000万円の支払いを求める弁護士法違反(非弁行為)まがいの圧力を東レ・日覺昭廣社長にかけていたことを『週刊文春』が報じ、「ヤミ金の借金取り立て」などと批判されている。

 また秋元副大臣は、3年間で約1,400人の外国人留学生が行方不明になっていることから「留学生ビジネス」と批判されている東京福祉大学(本部:群馬県伊勢崎市)の理事を務めており、これまでに総額300万円超の報酬を得ていたことなどが国会で追及されていた(今年4月4日の参院決算委員会)。疑惑まみれという点ではある意味、塩田氏と同類といえるのかもしれない。

 児童育成協会はデータ・マックスの取材に対して、「(企業主導型保育事業の)審査について、政治家から働きかけを受けたことはなく、職員が忖度したような事実も確認できない」と回答している。しかし当の秋元副大臣自身は、塩田氏と交際の事実があったのか、さらに児童育成協会に対してなんらかの働きかけを行ったことがあるのかなど複数の質問について回答を拒否している。

【特別取材班】
(つづく)

(4)
(6)

関連記事