2024年11月22日( 金 )

【特報2】川﨑大資こと塩田大介氏の代理人弁護士がデータ・マックスに回答書で「警告」~横浜幸銀と佐賀銀行は不可解な「取材拒否」

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■代理人弁護士は「やってはいけないことだった」

データ・マックスに届いた回答書 
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 データ・マックスに対して5月23日付で、川﨑大資こと塩田大介氏の代理人を務める弁護士から回答書が届いた。回答書の内容は、「事実と異なる誤った記事を掲載し続けるのであれば損害賠償請求の提起、刑事の法的措置をとる」として「警告する」というもの。しかし、記事(第3弾第4弾)で報じた企業主導型保育事業の助成金申請書類を偽造した疑惑については「誤った写真を添付した」とし、「書類上の不備が一部あった」と記事内容を認めたかたちだ。

 代理人弁護士は23日に電話取材に応じ、川﨑大資氏がかつてABCホームで会長を務め、競売入札妨害で実刑判決(2013年)を受けた塩田大介氏であることを認めた。さらに、公益財団法人児童育成協会の印章(印鑑)を偽造したことについても「やってはいけないことだった」と認めている。

 代理人弁護士は、塩田氏が児童育成協会発行の「助成決定通知書」を偽造して横浜幸銀信用組合(本店営業部:横浜市中区)から融資を受けたことも認めている。代理人弁護士によると、塩田氏は「横浜幸銀に融資を返済することを約束し、銀行側も同意した」と主張しているという。

ABCホーム会長時代の塩田大介氏(左/アクセスジャーナルより)と、
「川﨑大資」を名乗る現在の塩田大介氏

■横浜幸銀と佐賀銀行の融資担当者は「回答できない」

 横浜幸銀で塩田氏の案件を担当したのは、営業本部第一営業部(横浜市中区)に所属する安東泰樹・部長代理。横浜幸銀の第一営業部は今日午前、安東氏が「出張中」のため取材に応じられないとしていたが、午後になると一転、いないはずの安東氏自身が取材に応じた。

 しかし、安東氏は取材に対して「回答できない」と繰り返していっさい質問に答えず、塩田氏代理人が主張する「融資のもととなった文書の偽造を認めたうえで、返済を約束した」とする内容についても否定しなかった。

 一方、塩田氏が代表を務め、企業主導型保育事業の助成金申請コンサルタントなどを業務としていた「株式会社WINカンパニー」(登記上本社:福岡市早良区西新/実際は同市博多区吉塚)の主力銀行として取引を続けてきた佐賀銀行(本店:佐賀市唐人)の博多支店(福岡市博多区)は、取材対応そのものを完全に拒否し続けている。関係者の話をまとめると、佐賀銀行は福岡市中央区の案件について1億2,000万円から1億5,000万円を塩田氏に融資している可能性が高いが、同行は塩田氏と取引があるかを含めたいっさいの取材に応じようとしない。

 関係者の話では、博多支店で支店長代理を務めるMという男性行員が塩田氏の案件に関与しており、特別取材班は複数回にわたって取材を試みていたが、応じることがなかった。

塩田氏が代表を務めるWINカ
ンパニーの主力銀行である、
佐賀銀行博多支店(福岡市博多区)

 佐賀銀行がなぜ塩田氏との取引に応じたのか、九州地銀の関係者は一様に困惑を隠せない。「うちにも取引先から『川﨑氏(塩田氏)に融資してほしい』という話がありましたが、(データベースに)照会すると一発でブラックな人物だとわかりましたので、すぐに断っています。なぜ佐賀銀行が融資などの取引に応じたのか、理解に苦しみます」(九州地銀関係者)

 24日午前、佐賀銀行博多支店に赴くと、M支店長代理が驚いたような顔で対応に出た。支店長と思われる男性に何事かささやいて確認した後、真っ赤な顔で「取材には応じられません」と答えたM支店長代理。涙目になりながらも頭を下げ続けたM氏だが、それを横目で見ながら支店長以下、行員たちの無表情な群れはM氏をかばおうともせず「我関せず」と目をそらし続けるだけだった。

 佐賀銀行が塩田氏に付け入る隙を与えたとすれば、それはこうした醜悪な保身主義と事なかれ主義が行内に蔓延していることではなかったのか。組織をターゲットにする詐欺師は人間関係の分断を突き、一点突破であっという間に内部を侵食するという。

【特別取材班】

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