2024年11月22日( 金 )

山本太郎氏落選も「れいわは大きく前進」、衆院選に意欲

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当確が出そろった後、記者会見に応じる山本氏(2019.7.22筆者撮影)

 れいわ新選組の山本太郎氏は22日朝、自身が落選する結果になったことについて「一切後悔はない。2議席を獲得し、政党要件も付いた」と述べ、次の衆議院選挙に立候補する意思を示した。

 参院選の当確情報が出尽くした午前5時すぎ、東京・平河町にある同党の開票センターで選挙ボランティアの市民の前に姿を見せた山本氏は、ガッツポーズを見せ、一切後悔はない」と言い切った。「2議席を獲得し、政党要件も付いた」と続けた。

 記者団に受け止めを聞かれると、「10人通せなかった責任は感じるが、政党要件をもたない諸派が初めて政党要件を満たした。決して負けていない。山本太郎は失ったが、れいわ新選組は大きく前進した」と胸を張った。

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の舩後(ふなご)靖彦氏と重度障害者の木村英子氏の当選により我が国の障害者施策やバリアフリー化が進むことに期待をかけ、「私の議席と引き換えに手に入れたものは、比較にならないほど大きい」と評価した。

 次の衆院選挙に向けては、「政党要件があるのとないのでは、天と地の差がある。今の選挙制度では、互角に戦える条件が整った。衆議院選挙で大きく議席を増やす準備をしたい」と抱負を述べた。

 自身の立候補について意向を問われると、「出るしかないでしょう」と意欲を見せた。

 どの政党の支持層から票が流れたか聞かれると、「野党から削るなどというせこいことは狙っていない。一番大きな狙いは無関心層、浮動票」と答えた。

 寄付金は7月20日までに4億205万円に達した。「これは人々の悲鳴だと受け止めている。死にたくなるような社会、やめてくれという」と述べ、対症療法ではない大胆な生活底上げの政策が必要との考えを示した。

 選挙期間中、マスメディアが同党をほとんど取り上げなかった影響については、「テレビが取り上げれば、もうちょっと議席が伸ばせたかと問われれば、その通りだと思う。ほぼ街宣で稼いだ票。報道されるのとされないのとでは天と地の差がある」と吐露した。

 選挙区で300万円、比例代表で600万円の供託金については「制度を変えるべき。お金がかからないようにすべき」と述べるとともに、「これを変えるには、政権を取る以外ない」と現制度で戦う覚悟を見せた。

 政党要件を満たしてもNHKが討論番組に出さない場合の対応について尋ねられた。NHKは2015年の「生活の党と山本太郎となかまたち」や2013年の「みどりの風」を出演させていない。その際、国会議員5人以上と直近の国政選挙で2%以上の投票の両方が必要との独自の基準を示している。

 山本氏は「山本太郎となかまたちのときは、嘆願書をもってNHKに抗議しに行ったりしたら、途中から出してくれるようになった。またやってきたら、NHKをぶっ壊す」とこぶしを振るポーズを取り、「受信料の不払い運動を始めた方が早い」と戦う意向を見せた。

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。

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