これから本格化する地銀の経営統合を検証する(5)
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【表1】を見ていただきたい。地銀の金融グループの19年3月期の当期純利益順位表である。
~この表から見えるもの~
地銀の金融グループ会社は14社。傘下銀行は30行(第一地銀19行、第二地銀11行)となっている。
・三十三FGは18年4月2日、第四北越FGは18年10月1日に設立された。また関西みらいFGの傘下銀行は近畿大阪銀行だけだったが、18年4月1日、関西アーバン銀行とみなと銀行の2行が傘下に加わったため、関西最大の金融グループが誕生した。
・19年4月1日、近畿大阪銀行(第一地銀)と関西アーバン銀行(第二地銀)が合併。近畿大阪銀行が存続銀行として関西みらい銀行が発足したため、第二地銀は1行減少。7月1日現在、地銀は計103行(第一地銀64行・第二地銀29行)。
金融グループ(14社)の19年3月期の当期純利益(連結)は4,429億5,500万円。経常利益は4,294億10百万円。企業の売上高に当たる経常収益は2兆1,253億5,100万円。
当期純利益1位は関西みらいFGで前期比▲36億3,200万円の684億2,200万円(前期比▲5.0%)。関西アーバン銀行とみなと銀行の株式譲受による566億円の「負ののれん発生益」が特別利益として計上されており、実態の当期純利益は124億円となっている。
・また18年3月期の当期純利益720億5,400万円にも、近畿大阪銀行の株式譲受にともなう704億円の「負ののれん発生益」が特別利益として計上されており、実態の当期純利益はわずか16億円だった。
・当期純利益2位は第四北越FGで、568億8,400万円。関西みらいFGと同様に、第四銀行と北越銀行の経営統合にともなう472億700万円の「負ののれん発生益」が特別利益として計上されており、実の当期純利益は96億7,700万円となっている。
・当期純利益3位はコンコルディアFGで、前期比▲121億2,800万円の542億8,500万円(▲18.3%)と、大きく減少している。
・4位は三十三FGで522億7,700万円。第四北越FGと同様に、三重銀行と第三銀行の経営統合にともなう463 億 6,100万円の「負ののれん発生益」が特別利益として計上されており、実体の当期純利益は59億1,600万円。
・5位はふくおかFGで516億4,900万円(4.6%)。ここまでがベスト5で、その当期純利益計は2,835億1,700万円となっており、金融グループ(14社)の合計4,429億5,500万の64.0%を占めている。
<まとめ>
金融グループ14社のうち、当期純利益が前期比マイナスは関西みらいFGを含め6社、プラスはふくおかFGを含め6社。前期と比較できないが2社となっている。日銀のマイナス金利政策の影響が深刻な影響を与えていることが読み取れる。
来年10月1日、ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行が合併を予定しており、新銀行名は十八銀行を存続行として十八親和銀行とすることが決定している。また2021年5月1日、三重県を地盤とする三重銀行と第三銀行も合併を予定しており、第三銀行を存続行として、新銀行名を三十三銀行とすることが決定している。
今後は経営統合後に合併し、支店の統廃合による人員の削減など、効率化を図る動きが加速することになりそうだ。ただ、経費節減を優先した拙速な合併ではなく、システムの統合を含めて顧客サービスに万全を期すことが求められているのではないだろうか。
(つづく)
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