2024年11月23日( 土 )

鹿児島県宇検村の社会福祉法人代表者ら、公職選挙法違反の疑いで逮捕

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 鹿児島県警は8月3日、公職選挙法違反の疑いで、鹿児島県宇検村で特別養護老人ホーム「虹の園」などを運営する(福)緑虹会(りょくこうかい)の代表者・中田みどり容疑者(71)ら4人を逮捕した。

 中田容疑者のほかに逮捕されたのは、副施設長および事務長・朝井光德容疑者(58)、事務職員・朝野繁子容疑者(59)、中田容疑者の義妹・中田晴美容疑者(52)。

 逮捕容疑は2019年7月21日施行の第25回参議院議員通常選挙に際し、鹿児島県選挙管理委員会が不在者投票を行う施設として指定した虹の園で、同施設の入所者4名が投票に関する意思表示ができないにも関わらず、4人の投票用紙に候補者氏名をそれぞれ記載し、宇検村選挙管理委員会に送付。21日の投票日の際、正規の投票のなかに混入させ、投票を偽造した疑いがもたれている。

 同施設のHPは現在、「メンテナンス中」の表記がされ、アクセスできない状態となっているが、同施設の従業員によると、「HPは一時的に閉鎖しているが、施設は通常通り運営している」とのこと。本事件については、「現在、警察による捜査が行われているため、お答えはできない」としている。

 1月20日に行われた宇検村長選では、投票率95.41%と高い投票率を誇った宇検村。7月21日に行われた参院選でも、鹿児島県全体の投票率が45.75%に対し、宇検村は69.9%を記録するなど、高い投票率となっている。宇検村選挙管理委員会の担当職員は投票率について、「選挙に関する村民の関心が高く、選管としても『明るい選挙推進運動』を通じて投票を呼びかけているのが功を奏しているからではないか」としたうえで、「(今回の報道を受けて)非常にショックを受けている。(同施設は)昨年に鹿児島県の研修もきちんと受講しているし、不在者投票時、施設内には管理者や立会人もいた。投票の様子を見る限り、不正を疑われるような行為は見当たらなかったのだが」と述べた。

 現在、宇検村には各所から問い合わせがきているという。担当職員は、「施設には警察による捜査が入っているため直接情報が入ってこない。現在、県を始めとする関係部署と連絡を取り、情報収集に努める」としている。

【長谷川 大輔】

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