スシローの新業態 大衆寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」
-
スシローグループの(株)スシロークリエイティブダイニング(本社:大阪府吹田市、金井智秀社長)が手がける大衆寿司居酒屋「鮨・酒・肴 杉玉」は7月、8店舗目を兵庫県神戸市に出店した。
同店舗は、スシローグループの中期経営戦略の3つの戦略骨子の1つ、「新業態によるすし周辺市場の開拓」を担うために開発、実験されてきた業態で、表立ってテスト展開されてきたフードコートスタイル店舗の「スシローコノミ」とは対照的に、極秘裏に開発されてきた業態だ。
スシローのブランド力による物見遊山客を排し、実際の集客、収益力を確認するため、実験初期は、まったくその存在を隠され、店舗現場でもスシロー運営であることが一切わからないように徹底されてきた。兵庫県西宮市に1号店「西宮北口店」を出したのが17年8月。そのあと18年1月に東京都千代田区の2号店「神保町店」を経て、18年3月に東京都新宿区に3号店「神楽坂店」を出す段階で、初めてその存在を公表した。
現在は公表されているものの、スシローの回転ずしサイトからは店舗検索できず、訪れた神保町店ではスシローに関係するとわかるものは外観や店内、メニュー表などにも全くない。確認ができるのは親会社の(株)スシローグローバルホールディングスのサイトでのニュースリリース。IR関連資料では18年5月に提出された「18年9月期 第2四半期決算説明会資料」のなかで、初めて「杉玉」の展開が明かされた。
居酒屋メニューとして、一品299円から399円だとかなりの割安感があるが、100円で高品質な寿司を展開するノウハウと仕入れルートを確保してきたスシローであれば、299円で提供できるクオリティの高さは容易に想像がつくだろう。神保町店では399円や499円のメニューも一部あるが、ほとんどは299円だ。
品揃えはもちろん、すしや刺身が多いが、そのほか「雲丹醤油で食べるシュウマイ」や「欲張りな天麩羅盛り合わせ」「鯛出汁あさりラーメン」など幅広く、これらもほとんど1品299円で食べられる。
19年8月時点で店舗は東京、大阪、神奈川、兵庫に展開しており、今後はフランチャイズと直営と合わせてスピード感のある店舗拡大を目指すとしている。
収益性が高く、回転ずし業態と比較して必要面積が抑えられるため、これまでスシローが出店できなかった、小規模物件や駅前ビルへの出店が可能となる。20年9月期に16~20店、21年9月期に27~33店の出店を計画しており、回転ずし業態の計画を年20~30店としているので、今後、「杉玉」は「スシロー」と並ぶ同社の成長戦略の核となっていくことだろう。
【吉田 誠】
流通メルマガのご案内
流通メルマガは沖縄を除く九州地区の食品スーパー、ドラッグストア、ディスカウントストアなどの小売業の情報を、土日祝日を除く毎日タイムリーに配信しています。現在、1カ月間に限り、無料で配信させていただきます。無料試読希望者は、下記のメールフォームからお申し込み下さい。
※「流通メルマガ」試読申し込みフォームはコチラ >>関連記事
2025年1月3日 06:002025年1月2日 06:002024年12月20日 09:452025年1月10日 10:402025年1月7日 12:302024年12月4日 12:302024年12月13日 18:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す