JR九州の20年3月期第1四半期(6月期)の決算を検証する (前)
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【表1】を見ていただきたい。上場しているJR4社の株価推移表である。JRとは、1987年に日本国有鉄道(国鉄)が保有していた鉄道路線を引き継いだいくつかの民間鉄道会社の総称である。
各旅客会社には北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)の6社および貨物事業の日本貨物鉄道(JR貨物)で、社名の略称の頭部分に「JR」がついている。
~この表から見えるもの~
JR旅客会社6社のうち、民営化して上場しているのはJR東日本、JR東海、JR西日本、JR九州の4社。JR北海道・JR四国の2社は鉄道建設・運輸施設整備支援機構が100%出資しており、実態をみれば「完全民営化」とはほど遠い状況だ。
前期末3月29日の日経平均株価は2万1,205円。9月9日の前場終値は、前期末比+100.08円の2万1,305円89銭(0.47%増)と値を戻している。
上場している旅客JR4社のうち、9月9日の株価が19年3月末から上昇しているのはJR西日本だけで、前期末比+844円の9,183円(10.12%増)となっている。
・JR東日本は前期末比▲600円の10,080円(▲5.62%)。
・JR九州は前期末比▲445円の3,195円(▲12.23%)。
・JR東海は前期末比▲4,770円の20,940円(▲18.55%)。
JR西日本を除く3社は前期末の株価を下回っており、明暗を分けている。
【表2】を見ていただきたい。上場しているJR4社の19年3月期第1四半期(6月期)の当期純利益順位表である。
~この表から見えるもの~
JR旅客会社6社のうち、上場していないJR北海道とJR四国は第1と第3四半期決算は公表していない。
上場しているJR旅客会社4社の19年6月期の当期純利益1位はJR東海。前年比+87億円の1,226億円(7.1%増)となっている。売上高4,713億円に対する当期純利益比率は27.9%。4社のなかでは断トツに高い収益力をもっている。
・2位はJR東日本。前年比+134億円の915億円(17.1%増)と大幅に増加している。売上高7,263億円に対する当期純利益比率は12.3%。
・3位はJR西日本。前年比+40億円の425億円(10.3%増)。売上高3,611億円に対する当期純利益比率は11.6%で、収益力は4社のなかで一番低い。
・4位はJR九州。前年比▲11億円の123億円(▲7.9%)。営業外の投資有価証券の運用益▲6億円などにより、経常利益が前期比▲12億円となったことが主因としている。旅客4社のうちJR九州だけが減少している。売上高989億円に対する当期純利益比率は12.3%。
<まとめ>
上場しているJRの旅客会社4社の売上高に対する当期純利益比率の平均は16.5%。これを超えているのはJR東海1社のみとなっている。東京―大阪間を結ぶ大動脈の新幹線が有力な武器であり、収益の源となっている。現在リニア中央新幹線を建設しているが、はたして、二匹目のドジョウとなるのだろうか。
(つづく)
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