【れいわ新選組・山本太郎代表に聞く】「20年デフレ」脱却のため、捨て身の集団をつくる(4)
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市民との共感が原動力
――選挙期間中、「市民でつくる初めての国政政党」という言葉をたびたび口にされた。俳優として所得が高く、国会議員でもあったハイステイタスな山本さんがなぜ庶民と共感し、彼らに感情移入するのか。
山本 もともと、俳優という職業の本質が「感情移入する」ことだったからかもしれません。反原発になぜ声を挙げたのかということにつながるが、自分だけ得していたり、自分だけそこそこうまくやっていくだけでは、将来がないと思うんです。自分が役者として成長しているかどうかを判断してもらうには、お客さまに長い間お付き合いいただかないといけない。
しかし、それなりの経済力や健康が担保されなければ、映画も芝居も見ていただくことはできない。出ている人たちだけ頑張ってもエンターテインメントの世界は成り立たず、お客さまが疲弊したら終わり。そう考えたとき、原発事故が「直ちに影響はない」とか言われて怒りが湧いたのが政治活動の始まりだった。
確かに今、景気がいいという人もわずかにいるかもしれないが、実質賃金は下がって強制的に物価が引き上げられて、長時間働いて大して給料も良くなくて、こんな状況では自分へのご褒美としてエンタメに投資することすらできない。そう考えると、もっとお金を流さなければならないんです。お金を刷って、配らなければ。デフレから脱却するまでは配れるわけだから。こんな重病のような状況にしたのだから、そこから脱却するために政治が責任をもって経済政策のかじ取りをしていくのは当然。それをしないなら、もうこの国を弱らせる原因をつくった人間たちは全員、追い出さなければならない。
――開票センターや「新宿センキョ」での支援者とのやり取りを見ても、みんなと喜びたい気持ちが強いのでは。
山本 れいわ新選組は、みんなでつくったものですから。旗揚げしたのは私で、立候補してくれた人もいるが、基本的にはなけなしの100円や1,000円、1万円を積み重ねていただいた結果が4億円になり、友達なんていないけど無理やり近い人に政治の話をしてみた、っていう人がいたり。れいわに関わる人すべてが無理をしているんです。私を筆頭に(笑)。
どうなるかわからないけど、ここに懸けてみたいってところをやった結果が、228万票を超えたということだと思う。そう考えたら、自分1人で楽しむとかできるわけがない。みなさんに足向けて寝られないから、あれからずっと立って寝ています(笑)。
(つづく)
【高橋 清隆】<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。関連キーワード
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