『脊振の自然に魅せられて』「里山を彩る ヒガンバナ」彼岸花 ヒガンバナ科
-
9月中旬から10月初めに田んぼや里山を歩いていると、赤い花が田んぼの土手に彩りを添えるように群生しています。皆さんご存知の彼岸花(曼珠沙華 マンジュシャゲ)です。
有毒植物で、食べると食中毒を起こし、目眩や下痢を起こし、死に至ることもあるとされています。日本固有種ではなく、中国から食料用に持ち込まれ、飢饉の時、鱗茎をさらして食料にしていたそうです。
なぜ田んぼで多く見かけるのかについては諸説あります。ネズミやモグラがミミズを求めて田んぼの土手に穴を掘ったため、田んぼの水が流れ落ちるのを防ぐために有毒の植物であるヒガンバナを土手に植えたともいわれています。
ヒガンバナの仲間であるキツネノカミソリと同じく開花時期には葉がなく、茎から30〜50㎝伸びて花を咲かせています。開花時期に茎が土から伸びて花を一斉に咲かせている姿を想像してもらえたらと思います。
脊振の写真を撮り始めたころ、夕日にシルエットが浮かぶヒガンバナをイメージして撮影を試みたことがあります。広い田んぼに夕日が沈み、ヒガンバナがシルエットに浮かぶまで待って撮影をしました。稲刈りのトラクターがヒガンバナ越しに動いている様子も撮影したことがあります。
真っ赤なヒガンバナと垂れた青い稲穂とのコントラストも素敵です。
私は雨上がりのヒガンバナに露が輝いている光景が大好きです。雨上がりのヒガンバナは生き生きとしており、植物本来の姿を見せてくれます。
交配種なのか、最近、場所によっては黄色や白のヒガンバナも見かけます。
ヒガンバナには死人花(しにひと花)、仏花(ホトケ花)、地獄花(ジゴク花)などの異名があり、忌み嫌う地方もありますが、赤い花はめでたいとする地域もあるようです。
私は幼い時、ヒガンバナをカンザシにして妹にあげた記憶があります。稲穂の実りの季節を知らせる植物でもあります。
2019年10月2日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行【脊振の自然に魅せられて】の記事一覧
・『脊振の自然に魅せられて』「ゲンノショウコ」‟現の証拠” フウロソウ科(2019年09月26日)
・『脊振の自然に魅せられて』「金山の道標立て替えと修復作業」(2019年09月19日)
・『脊振の自然に魅せられて』「幸せを呼ぶ蜂 ブルー・ビーに会えて」ルリモンハナバチ(ミツバチ科)(2019年09月12日)
・『脊振の自然に魅せられて』「秋の花 キツリフネ」黄釣船 ツリフネソウ科(2019年09月05日)
・『脊振の自然に魅せられて』「秋の花 ツリフネソウ」釣船草 ツリフネソウ科(2019年08月29日)
・『脊振の自然に魅せられて』「夏だ! 沢登りの季節がやってきた」(2019年08月19日)
・『脊振の自然に魅せられて』~不法投棄ゴミ処理大作戦(2019年08月06日)関連キーワード
関連記事
2024年11月20日 12:302024年11月11日 13:002024年11月1日 10:172024年11月22日 15:302024年11月21日 13:002024年11月14日 10:252024年11月18日 18:02
最近の人気記事
おすすめ記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す