I Rプロジェクトコンソーシアムとエクイティ
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JC福岡(一般社団法人福岡青年会議所)主催・主導で9月30日に開催された「九州IRシンポジウムin福岡」は、九州経済連合会の常務理事ほか数人のパネリストを招き、300人弱の参加者がこれに応募した。福岡では公的なものとしては初となるIRプロジェクトの誘致開発を積極的に告知促進するシンポジウムとなった。実にすばらしいことである。
先に手を上げて、積極的な誘致促進をする長崎県ならびに佐世保市(ハウステンボス)と、これから誘致促進をやろうとしていた北九州市にとっては、かなり衝撃的な出来事だったと思われる。
しかし、筆者が以前から説明しているように長崎、佐世保市に限らず、北海道苫小牧市、和歌山市など、それぞれのIR推進論者の気持ちは理解するが、残念ながらこれらは地方の中核都市であり、後背地人口が希薄な候補地では絶対に採算性がないと断言してきた。
この際、長崎県、佐世保市も早々に計画を切り上げて、知事、市長、各関係者は、福岡の若者たちの積極的な姿勢を応援し、九州一円に好影響を与え、かつ実現可能な福岡市都市圏中心のI Rによる経済活性化に協力すべきである。
右図を見ていただきたい。これは安倍一強政権下の(安倍・トランプ密約)政治家と官僚が練りに練って作成したカジノ実施忖度法案の条件を簡略に説明したものです。
来年4月から、各候補地の管轄行政が公募開始しようとしている本件誘致開発の"核"開発母体、すなわち要のコンソーシアム設立の図解である。
ポイントは、図のなかの日本側の大手企業と各地元財界のエクイティ参加(株主資本への投資と参加)が必須であるということである。
これがいずれも、具体的かつ明確になっていない為に「ギャンブル依存性」という漠然としたリスクだけが取り沙汰されて報道されているのが現状だ。どの候補地も、日本側の皆さん(大手も地元も)も、これを憂慮し、躊躇しているので、本格的に参加・検討ができず、各行政と海外のカジノ投資開発企業だけが前のめりになっているのが現状である。
長崎県と佐世保市は先日予定通り、来年4月から、公募(コンソーシアムという組織)開始すると正式に発表している。しかし、そんなことはまず不可能だし、あり得ない。
なぜなら、公募の必須条件は、この「コンソーシアム」の設立であり、そのエクイティの総額ならびにその構成比などが明確にならない以上、誰も参加し得ないのです。一方で政治家の任期は1期4年で逐次終わり、誰も最終的な責任は負いません。
一般的にいうと、株主資本エクイティの構成比は海外カジノ企業が総額の60%、日本側大手企業30%、地元財界が残り10%程度でしょう。
ちなみに、コンソーシアムからみた、いずれかの候補地の総事業費が5,000億円とすれば、デッド(借入金等元本保証をするもの)が3,500億円で、エクイティ(元本保証のない株主資本)が1,500億円です。よって、海外カジノ企業が60%(これくらいが限度)、日本側の企業の投資参加は40%となります。
皆さん、この数字の日本側の投資負担600億円をどうみますか?長崎やら、和歌山、苫小牧市などに投資しようとする日本側企業ならびにその能力がある地元財界があると思いますか?
このようなビジネス組織(開発運営母体)"核"となるコンソーシアムがいくつもできて、それを管轄行政が公募し、熾烈な競争になることなどはあり得ません。
各々が管轄する行政作成の(御用達の調査機関)"事前可能性調査"は、この辺に触れていません。彼らの立場と能力ではこれを作成できないのです。
長崎、佐世保市のハウステンボス候補地では年間約700万人の集客を想定しての計画です(現状は300万人弱)。韓国との関係悪化で、海外からの観光客が急減しているなか、これを信じてエクイティ参加する日本企業など皆無に等しいと考えるのが普通でしょう。
よって、現実的に考えて日本国内では、大きな後背地人口を有する、東京中心の関東都市圏か、大阪中心の関西都市圏か、福岡中心の北部九州都市圏しか可能性はありません。「安倍・トランプ密約」で、トランプ大統領の大口献金者、横浜は Sand's 、大阪はMGMで決まりの「出来レース」です。残りは1カ所 、福岡しかありません。熱意ある若者よ、頑張れ!
【青木】
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