山本太郎氏が地方創生を批判、「地方交付税をしっかり配分せよ」
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れいわ新選組の山本太郎代表は24日、長崎市内で市民との対話集会を開き、道州制について「どうも思わない」と疑問視するとともに、「地方への支出、交付税をしっかりと配分することが一番重要」と述べ、自治体に格差をつける地方創生を批判した。
長崎県勤労福祉会館で開かれた「山本太郎とおしゃべり会」には、市民約250人が集まった。当初予定していた街頭記者会見が、雨天のため屋内での開催になった。
全国ツアーの意義について山本氏は、「選挙期間中、テレビはしつこく追い掛けてきたが、流れない。終わってから『あれ、れいわ新選組ってあったんですか』とよくいわれる。ご存じない方々がまだいらっしゃる。もう1つは、政治決定の一番の被害者は地方都市。衰退が加速している」と説明した。
会場からの2番目の質問は、「道州制について、どういうお考えをお持ちか」というものだった。男性は「地域主権、地方分権とも呼ばれるが、なかなか進まない。地域に住む人たちのなかで考えたい」と補足した。
山本氏は「行政区域を広げて、何かプラスになるのか」と首をかしげた。「地方主権と言われながら、大して分権されてない。事務手続きばかり多くなるなかで道州制になったって、何かが変わるとは思えない」と続けた。
「ひも付かない地方への支出、交付税をしっかりと配分することが一番重要。平成の大合併で、何かプラスになったか。そうでなく、国が地方にはたすべき一番の責任はお金だと思う」と述べ、市町村合併と地方交付税交付金削減を批判した。
地方自治体と中央政府の違いについて「地方はお金をつくれない。だから自分たちの財布のなかで何ができるかを考える。財政が行き詰まると、積み上げてきた基金みたいなものを取り崩しながら回していかなければ。家計と一緒。でも、国は違う。お金をつくれる」と新規国債発行も視野に入れた財源確保を主張した。
「どの国も成長している。成長していないのは日本だけ。そういうことが満たされた暁に地方の線引きを変えようとか、県をどうするというならいいが、今、道州制という話を持ち込まれても、『あとはよろしく』になるんじゃないか」と疑問視した。
地方経済の現状に触れ、「地方は物価が安いというのは本当か。1人車1台って話でしょ。維持費だけでどれだけかかるの。長崎のファミリーマートと東京のファミリーマートで、水の値段違いますか。大店法がなくなり、イオンが元気になったり、商店街がつぶれ、チェーン店が多いわけじゃないか。値段設定は一緒で、地方は所得が低い。生活苦しいのは当たり前」と指摘した。
そのうえで、「道州制をどう思うかって、私はどうも思わない」と突き放した。
さらに第2次安倍政権が進める地方創生について、「やる気のない所までお金配るつもりないから、やる気のある人だけ手を挙げてくれみたいな。何だよその方式。ベースになるお金をちゃんと補てんしろ」と批判した。
道州制をめぐっては2006年に道州制担当相が置かれ、2008年に「ビジョン懇談会」が「中央集権型国家から分権型国家へ」を理念に中間報告を取りまとめたが、それきりになっている。
地方交付税交付金は2010年の17.5兆円をピークに減少傾向にあり、2017年は16兆円。
地方創生は、安倍政権が2014年にぶち上げた東京一極集中への是正策。毎年、事業費1兆円を確保し、先進事業やその普及に取り組む自治体に対し1,000億円の地方創生推進交付金を重点配分してきた。数値目標を毎年検証するためKPI(重要実績評価指標)やPDCAサイクルが採用されている。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。▼関連リンク
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