福島銀行がSBIホールディングスと業務提携
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11月11日、ネットで証券・銀行・保険業務を幅広く手がけているSBIホールディングス(以下、SBIHD)と福島県の福島銀行(第二地銀)が資本業務提携すると発表した。SBIHDは今年9月6日、島根県の島根銀行(第二地銀)と資本業務提携をしており、2行目となる。
両社が合意した資本業務提携では、福島銀行が資金力を増強するため、新たに発行する株式をSBIホールディングスがおよそ11億円出資。議決権ベースで2割弱を握る筆頭株主となり、今後、役員1人を派遣する方針を示した。SBIHDは全国の地方銀行と連携して大手銀行に並ぶ新たな金融ネットワークを形成する構想を掲げており、第二地銀を中心に資本提携する銀行が増えてくることになりそうだ。
提携内容について
両社はまず来年1月をメドに福島県郡山市に共同で店舗を設置して、SBIHDが手がける投資信託や保険などを提供する計画。また福島銀行の店舗でSBIグループの住宅ローンなども提供する。今回の提携を通じてSBIHDは、ネットを通じたビジネスに加え、地方で新規顧客の開拓を進める狙いがあるようだ。
一方、福島銀行はSBIHDが持つ金融やIT(情報技術)分野でのノウハウを導入。金融とITを組み合わせたフィンテックを活用して、印鑑などがなくてもネットで口座を開設できるシステムを導入するほか、さまざまな業務の効率化でコストを削減し、収益力の強化を目指すという。
日銀のマイナス金利政策の影響を受けて、長引く低金利や人口減少で地方銀行は厳しい経営状況が続いている。今までは、地銀同士の経営統合が主流だったが、ネット金融会社と地銀という異色の組み合わせにより、金融再編の道が新たに開かれたとの見方が出ている。
【表1】を見ていただきたい。SBIHDと業務提携した島根銀行と福島銀行(いずれも東証一部上場)の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
9月6日、SBIHDと業務提携を発表した島根銀行の株価は、前日比+99円の702円(前日比16.42%増)。前日の5日に今年の最安値596円を付けていたが、業務提携発表により大幅に上昇。休み明けの9日は、今年の最高値である842円を付け、出来高も2,668千株だった。
11月11日、SBIHDと業務提携を発表した福島銀行の株価は、前日比+67円の310円(前日比27.57%増)と大幅に上昇。出来高は8,356千株。
翌12日は、前日比+80円の390円(前日比25.81%増)のストップ高で取引を終えている。SBIHDとの資本業務提携が株価に大きくプラスとなっているのがわかる。
<まとめ>
【表2】、【表3】を見ていただきたい。SBIホールディングスと資本業務提携した島根銀行と山陰合同銀行との収益およびその源である預貸金の状況を見ると、その差が大きいのがわかる。
また福島県においても、第一地銀の東邦銀行が福島銀行・大東銀行を寄せ付けない圧倒的な強さが目に付く。あえて、「預金+譲渡性預金=総預金」としたのは、譲渡性預金がゼロの銀行は余裕がなく、厳しい経営状況にある目安だと私は判断しているからだ。
九州に単独の第二地銀は佐賀共栄銀行、豊和銀行、豊和銀行、宮崎太陽銀行、南日本銀行の5行。競合する第一地銀や地域的なつながりから、西日本FGと経営統合するものと予想していたが、はたして、SBIHDと資本業務提携する銀行は出てくるのだろうか。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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