2012年に政権を奪還した皆さんのための桜を見る会
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「桜を見る会」騒動は、日米FTA採決を影に隠すための「スピン」である疑いが極めて強いと訴えた11月14日付の記事を紹介する。
2019年4月21日の「桜を見る会」で安倍首相は次のように挨拶している。「皆さんと共に政権を奪還してから7日目の「桜を見る会」になりました。」
「桜を見る会」は政府行事である。政府が血税を投入して実施している行事である。2017年7月1日の夕刻、安倍首相は東京都議選街頭演説最終日に、「安倍辞めろ!」との怒号を発する有権者に対して、「こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない!」と絶叫した。「こんな人たち」も有権者である。
有権者の声に真摯に耳を傾けない安倍首相の姿勢が批判された。それでも、2017年の発言は自民党党首としての発言だ。特定の政治的立場から発言しても、自民党を代表する立場からのものだとすれば説明がつけられないわけでもないものだった。
しかし、本年4月21日の発言は立場がまったく違う。「桜を見る会」は政府行事であり、挨拶は内閣総理大臣としてのものだ。
「皆さんと共に政権を奪還」と発言しているが、そうなると、この会に招かれた人々は、すべてが、安倍首相と政治的立場を同じくする人々ということになる。
安倍首相は講演会関係者850人を17台の観光バスで動員したと見られている。政府行事を完全に私的な行事にしていることが鮮明に浮かび上がる。
政府行事の私物化が許されるわけがない。安倍首相の責任が問われなければならない。同時に、最大の問題になっているのが前夜祭の問題だ。
安倍首相の個人事務所が前夜祭を取り仕切り、5,000円の会費を徴収したが、前夜祭の実費が5,000円を大幅に上回る疑いが浮上している。
このホテルではパーティープランの場合、1人1万1,000円が最低料金で値引き販売を行うことはないとしている。有名寿司店も料理を提供しており、1人5,000円の会費は実費をはるかに下回るものであると考えられる。
実費が会費を上回っていれば、公職選挙法に抵触する飲食饗応ということになる。また、会費を集めてパーティーを開いておきながら、政治資金収支報告書に記載がなければ不記載の違反になる。
振り返っていただきたい。2009年3月3日に、小沢一郎衆議院議員の公設第一秘書の大久保隆規氏が突然逮捕された。小沢氏の資金管理団体は、西松建設関連の二つの政治団体である新政治問題研究会と未来産業研究会からの寄附を事実通りに記載して収支報告書を提出した。この行為が虚偽記載だとして突然、大久保氏が逮捕されたのだ。
この事案は完全な冤罪事案だったが、安倍首相の資金管理団体の違法行為疑惑に対して、捜査当局は厳正な対応を示す必要がある。主権者が監視を強めなければならない。
この重大問題が前面に出ているが、その影で重大条約の批准が強行されようとしている。自民、立憲民主、国民民主の国会対策委員長が11月13日に国会内で会談し、日米FTA批准案を11月15日の衆議院外交委員会で採決し、19日に衆院本会議で採決することで合意したと報じられている。
※続きは11月14日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「桜を見る会事案の裏側で日米FTA批准強行」で。
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