新日本科学、26年3月期は4期連続で最高売上更新 期ずれで減益も受注残高は過去最高
11日、医薬品開発支援(CRO)大手の(株)新日本科学(鹿児島市、永田良一代表)は2026年3月期連結決算を発表した。それによると、売上高は325億2,400万円(前期比0.3%増)、営業利益は26億5,300万円(同11.1%減)、経常利益は58億3,300万円(同9.6%減)、当期純利益は45億6,600万円(同7.3%減)で、売上高は4期連続で過去最高を更新した一方、利益面では減益となった。
決算要因としては、まず主力のCRO事業において、期中で売上計上を見込んでいた複数の大型試験の完了が次期へずれ込んだことが利益を押し下げた。また、人材増強や実験施設拡充、実験用NHP(非ヒト霊長類)の国内繁殖体制整備、DX推進など戦略投資を継続したことによるコスト増も影響した。ただ、受注環境は堅調に推移した。非臨床事業の受注高は357億2,800万円(前期比11.3%増)と過去最高を更新。欧米顧客からの受注高は132億2,500万円(同35.2%増)まで拡大し、海外受注比率は43.4%に達した。年度末受注残高も409億2,000万円(同19.0%増)と過去最高水準となった。
同社は、核酸医薬や遺伝子治療、細胞治療など新規モダリティ向け試験需要の拡大を追い風に、実験用NHPの自社繁殖・供給体制を強化している。26年2月には、欧米顧客向けにEU規格大型飼育ケージを備えた「EU実験棟」の新設を発表。総投資額は約100億円で、27年11月の完成を目指す。また、AIを用いた最終報告書自動作成システムの実装にも着手しており、27年3月までの本格導入を予定する。
TR(トランスレーショナル・リサーチ)事業では、米子会社Satsuma Pharmaceuticalsが開発した経鼻片頭痛治療薬「Atzumi」が25年4月、米FDAから販売承認を取得。現在、販売パートナー企業との交渉を継続している。一方、事業化費用増加によりTR事業は40億2,800万円の営業損失となった。
メディポリス事業では、温泉発電所の稼働開始が寄与し、売上高は8億400万円(前期比42.4%増)に拡大。営業損失は6,500万円まで縮小した。
27年3月期の業績予想については、売上高380億円(前期比16.8%増)、営業利益30億円(同13.0%増)、経常利益60億円(同2.9%増)を予想しており、今期中に計上予定だった大型案件の「期ずれ」分が寄与する見通しだ。
【寺村朋輝】








