全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(7)

 全管協名誉会長・高橋誠一氏が、自身の利益のために、全管協とその職域支部(自民党ちんたい支部)が持つ自民党員数の力を使っていることを一連の記事で明らかにしてきた。

 『全国組織・全管協を仕切る高橋誠一名誉会長とは(3)石破前首相との近さが示す影響力』では、全管協や職域支部である自民党ちんたい支部連合会のカウンターパートが「自民党賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連)」であることや、自民党議員のなかでも高橋氏と懇意な間柄にあるのは議連会長を務める石破茂前首相であることを紹介した。

 『全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(4)』では、石破氏が首相時代、高橋氏を厚遇した理由を2点挙げた。

 1つ目は自民党員票だ。総裁選で多くの業界団体が別の候補者を推したが、約4万人の党員(職域支部の党員数)を有し、高橋氏が会長を務める「自民党ちんたい支部連合会」が石破氏の支援にまわったことが、石破総裁実現に大きな役割をはたしたとされる。

 2つ目は資金面での支援だ。石破氏の政治資金パーティーのパーティー券を全管協が大量に購入していたことが政治資金収支報告書で確認された。

 『全管協本部における講演で、自民党員拡大を求めた阿部俊子元文科相』では、高市政権が発足する直前の2025年10月14日、全管協本部の会議室で、石破首相の代理として現職大臣である阿部俊子文部科学大臣(当時)が講演を行い、全管協と連携する自民党ちんたい支部連合会が有する4万人の自民党員数が総裁選に大きな影響力をもつことに言及し、政策実現のためにさらに党員数を増やすことを求めていると受け取れる発言をしていたことを取り上げた。

 阿部俊子事務所は、講演した事実を認めた一方で、「事務所として内容は確認しておらず、コメントする立場にない」と回答したが、当社が入手した講演内容によると「ぜひとも皆さま方にこれからもしっかりと政策を可決させていただくために、また、自民党員をぜひとも増やしていただきたいと思うところでございます」と発言していたことを確認している。

 『全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(5)』では、阿部氏が講演を終えて会場を去った後、出席していた全管協各支部の代表者らから、自民党員拡大について会員企業の負担が大きいとの異論があがっていたことを紹介した。

 『全管協名誉会長・高橋誠一氏と自民党政権幹部(当時)の深い関係(6)』では 24年5月に東京で開かれた全管協のシンポジウム後の交流会に、現在国土交通大臣を務める金子恭之氏(当時・自民党組織運動本部長)が出席し、高橋氏や全管協の会長である三好修氏と記念撮影をした写真を紹介した。

2025年の交流会には小泉進次郎氏も出席

 自民党から見て全管協や職域支部である自民党ちんたい支部に対する期待度が非常に高いことはこれまでも伝えてきたが、毎年の年次総会やその後の交流会にも当然のことながら全国の全管協役員や職域支部長に動員がかかることになる。

 取材を進めていくなかで、当社は25年のシンポジウムおよび交流会の開催案内文書を入手した。送付元は全管協会長(当時)の三好氏である。

2025年全管協シンポジウム・交流会案内文書
2025年全管協シンポジウム・交流会案内文書

 文書の上部に、「本状の送付対象」とあるが、この送付対象について解説したい。「職域支部長」とは自民党ちんたい支部の各都道府県支部長のことである。交流会には多くの自民党議員が来場するが、各都道府県の選出議員と職域支部長が交流の場を持つ機会となる。「OB理事」とは、全管協の理事経験者のことである。

 「本部新新」とは見慣れない言葉だが、全管協には新事業・新商品開発委員会(通称、新新委員会)という組織があり、同委員会では賃貸管理に有用な新しい商品開発などに取り組んでいるという(ある全管協加盟企業代表者による)。「同少短会員拡大の各委員」とは、全管協が取り扱う賃貸住宅の大規模修繕工事費用に備えるための共済制度や賃貸住宅の入居者向け保険の契約拡大を進めることを目的とした委員会が組織されており、その各委員のことである。

 全管協は単なる不動産業界の親睦団体ではなく、入居者やオーナー向けの保険や共済制度などがあることで、加盟企業にとって大きなビジネスメリットがともなう組織となっている特徴がある。賃貸住宅業界のニーズに基づいたさまざまな要望を国に働きかけるには、自民党員を増やすことが一番であると高橋氏らは考えているのであろう。

 実際に、25年のシンポジウム・交流会に先立ち行われた総会において高橋氏は「16社で始めた全管協が、35年経った今では2,000社を超えるネットワークとなった。何もないところから収益源を生み出し、国会議員にさまざまな要望ができるようになった」と述べており、政治力の強さを誇っている。

 なお、25年の交流会には、現在、防衛大臣を務める小泉進次郎氏の他、ちんたい議連会長を務める石破茂首相(当時)や菅義偉元首相らも出席していた。

 来る6月3日の交流会には閣僚である小泉氏や金子氏、石破氏をはじめとするちんたい議連所属の自民党議員がどのくらい出席するだろうか。

(つづく)

【近藤将勝】

< 前の記事
(6)

関連記事