福岡県議会問題について吉松源昭県議にインタビュー(番外編)福岡から日本の政治は変わるか?
吉松源昭県議の告発に端を発した福岡県議会問題(蔵内勇夫議長がドンとして君臨)がお隣の山口県をはじめ各地に広がる兆しが出てきた。自民党県議団が県議会の過半数を占め、そのボスが大きな力を有するのは福岡県議会に限らず、多くの都道府県で共通しているからだ。福岡が発火点となって他地域に飛び火していく可能性は十分にあるともいえる。
データマックスの吉松県議インタビュー(全4回)を読んだ山口県の取材協力者から柳居俊学県議会議長に関する情報提供があった。
「山口県は『自民党王国』と言われ、柳居俊学県議会議長が絶大な権力をもっている。山口もぜひ取材してほしい」「まずは、今年2月の山口県知事選に自民党を離党して立候補した有近真知子・前山口県議に話を聞いてみてはどうか」
吉松県議インタビュー(2)では「知事すらイエスマンにする蔵内議長の力の源泉」(7月24日)と銘打って、服部知事をも上回る力を有する蔵内議長を紹介したが、同じような柳居議長による“ボス支配”が山口県でもあるというのだ。
高市自民圧勝の総選挙と同時期であったため、自公県組織と国民民主が推薦した村岡嗣政知事が四選をした「山口県知事選」(2月8日投開票)を取材する余裕はなかったが、調べてみると、有近前県議が吉松県議と同様、県議会のドンに異議申立をしていたことが確認できた。
1月14日の長州新聞は「近づく山口県知事選 二人羽織体制で実権なき県知事ポスト」と銘打った記者座談会で、こう解説していた。
「今回は4期目の当選を目指す現職の村岡知事に対して、自民党所属の女性県議だった(年末に自民党山口県連から処分された)有近氏が対抗馬としてあらわれ、実質的な保守分裂選挙になろうとしている。(中略)今回の選挙は山口県政で『天皇』とまで呼ばれるようになった県議会議長・柳居俊学氏(周防大島)率いる自民党山口県連とそのいいなりになっている現職知事・県政に対して、県内各地の自民党員や保守系のなかで反発が鬱積しており、その思いを代弁するように有近氏が真正面から批判を加える異例の展開となっている」
2月9日の読売新聞もこう報じた。
「昨年12月の県議会本会議では、一般質問に立った有近さんが『県議会が強くなり、知事が弱くなってしまっている。職員は一部の自民党(県議)の意向を絶えず気にしている』と現県政を批判(以下略)」。
有近前県議と吉松県議とは共通点があった。以前は2人とも自民党県議だったが、ボス支配に疑問を感じて反旗を翻していたからだ。
だからこそ取材協力者は有近氏への取材を勧め、私も「有近前県議が山口における吉松県議のような存在になる可能性は十分」と期待感を膨らませて、インタビューの申し込みをしたが、回答は「検討させてください」。取材拒否ではなかったので、その後も依頼を続けているが、8月5日の時点でまだ実現はしていない。
ただし「蔵内議長と柳居議長は瓜二つで、山口は福岡とよく似ている。福岡県議会問題が山口にも飛び火してほしい」と望む山口県民は少なくないのだ。
新潟に飛び火する可能性もある。ここでも星野伊佐夫・新潟県議の裏金疑惑が浮上。新潟5区の自民候補だった泉田裕彦・元新潟県知事が、星野氏から「とにかく必要経費をばらまこう。2,000万(円)や3,000万(円)なんかもったいながったら人生終わりだよ」という裏金要求を暴露、そのときの音声も公開したのだ(本サイトの2024年10月24日の『裏金問題告発の泉田元新潟知事がなぜか自民党非公認』を参照)。
私は15年ほど前から、月刊誌『選択』の連載「土着権力の研究」をかなりの頻度で執筆。そのなかで自民党大物県議を何回も取り上げた。
「岐阜県 猫田孝(県議会議員) 知事をもしのぐ県下最強の権力者」(14年4月号)
「和歌山県 中村祐一県議会議員 『二階王国』を支える『子飼い』」(13年10月号)
「福島県 佐藤憲保険県議 原発復興と農業利権の『中心人物』」(13年10月号)
要するに福岡県議会と同じような構図が全国に存在しているのは確実。県議会問題が福岡から各地に飛び火する可能性は十分あるに違いない。「福岡から日本の政治が変わる?」というタイトルにしたのはこのため。「第二、第三の吉松県議は現れるのか」を注視していきたい。
(了)
【ジャーナリスト/横田一】









