2024年11月23日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~中国政府 ブロックチェーン開発加速(前)

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 中国共産党中央委員会政治局は10月24日午後、ブロックチェーン技術の発展現状と動向をめぐる第18回グループ学習を開いた。議長を務めた習近平主席は「ブロックチェーン技術の応用は、新たな技術革新と産業イノベーションにおいて重要な役割を担う。世界の主要国家がこぞってブロックチェーン技術の発展を支援している。我が国も積極的にブロックチェーンを経済・社会に導入し、発展を図っていく」と強調した。

 習主席が、ある特定の技術に的を絞って、詳しいことを述べることはあまりない。これまで、習主席が詳しいことを述べ、中央政治局のグループ学習でも取り上げられた特定の技術には、インターネットや人工知能(AI)がある。つまり、ブロックチェーンは少なくとも人工知能と同じ地位にまで引き上げられたという。

 結果、習主席が、ブロックチェーン分野で中国の国際的なルール制定力を高め、世界のカギを握合意欲を表明したことで、「ブロックチェーン」という言葉は一気に広がった。波は世界にも波及し、ビットコインを初めとする仮想通貨相場も急騰した。ブロックチェーンの分野で起業しているマイクロソフトリサーチの元主席研究員王嘉平氏は、「現在、たくさんの情報システ厶は孤立しており、さまざまな機関によってコントロールされている。ブロックチェーン技術は、データの表示を基準化するだけでなく、コンピューターのロジカルも基準化し、一層基準化されたスタイルで事務処理を行うことができる。これは情報サイロの解決につながる」と語る。

 中国はビットコインをめぐっては大きな論争があるため、ブロックチェーン技術もずっと懐疑的な見方がある中で発展を続けている。ビットコインは脱集中化され、インターネット上で資本が操作・運用されるため、各国の中央銀行はそれを受け入れない姿勢を示している。資本運用下でのビットコインは既存の世界の通貨金融体系をかく乱し副作用をもたらす可能性がある。2017年9月、投機の過熱や詐欺行為のリスク防止のために、仮想通貨の取引やICOを全面禁止した。

 だが、ブロックチェーンは、インターネットよりも大きな変化を世界にもたらす技術の方向性かもしれないとの見方もある。ブロックチェーン技術の使用を統合し、システ厶を管理できれば、中国は、インターネット技術や産業の統合発展のカギを握ることになる。そして、全てのビッグデータシステムも、無秩序ではなくなり、不確定性に満ちた情報が氾濫することもなく、誠実で透明性の高い生産力ツールとなる。

 そのため、中国政府は仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーンについては、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)などと並ぶ次世代技術として支援してきた。

(つづく)


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(後)

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