2024年11月23日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~中国政府 ブロックチェーン開発加速(後)

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 中国政府は、「資本主導運用やインターネット上で無秩序に発展するビットコインやブロックチェーン技術を秩序ある監督・管理下に治め、「良貨によって悪貨を駆逐」しなければ、インターネットを法律で管理されるデータ空間にすることはできない」と認識したことで、10月26日の第13期全国人民代表大会第14回会議の採決で暗号法が可決し、2020年1月1日から施行される。

 暗号法は、インターネット上での暗号の使用の法律的基礎となり、ブロックチェーン技術の使用統合の加速により、インターネットが「信頼性の高い機器」となる。その「ダブル効果」により、期待されている「システムのボーナス」がもたらされる。

 では、ブロックチェーンは、経済にどんなメリットをもたらすのだろう?業界のアナリストは、「ブロックチェーンは、分散型台帳の一種の形式に過ぎず、すべての分野に適しているわけでもない。応用する際は、実体経済の発展の必要に応じて活用しなければならない」と指摘する。

 「雲象区塊鏈」の取締役社長である鄧旭氏は、「中国国外では、政治ガバナンス、公共応用、金融業界などの分野へのブロックチェーン応用が比較的成熟している。例えば、米国のナスダック証券取引所は、ブロックチェーンを企業のIPO(新規株式公開)の審査に応用している。企業は発足以降の株式情報、株主の権益などの情報をブロックチェーン上に記録でき、取引所の審査時間が短縮されている。公共の分野では主に、食品や薬品のトレーサビリティに応用されている」と説明する。

 中国では現在、主に金融サービスやサプライチェーン管理、スマート製造、公共サービス、教育・雇用、文化・娯楽の6つの分野にブロックチェーンが応用されている。ブロックチェーンはトレーサビリティが可能で、データの改ざんができないため、金融業界の本質やニーズにぴったりだ。そのため、ブロックチェーンの金融サービス分野への応用が、中国では現時点で最も進んでおり、成熟している。

 決済の分野では、ブロックチェーン技術は、異なる金融主体間の台帳をめぐる問題を効果的に解決してくれる。そして、コスト削減や効率向上を実現してくれる。越境決済の分野では、ブロックチェーンは、ディセントラリゼーション技術を通して、P2Pの取引記録を実現し、金融包摂の実現をサポートすることができる。

 サプライチェーンにおいて、ブロックチェーン技術は、サプライチェーンを、一本の整った情報フローにまとめ、異なる主体が各部分に存在する問題を発見することができるようにする。また、データを改ざんできないため、主体間にトラブルが発生した場合にも十分に一連の証拠を提供することができる。

 ブロックチェーン技術は広い分野へ応用できる見込みがあり、将来のテクノロジー競争は、ブロックチェーンをめぐる競争になることは間違いないだろう。

(了)


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