中国経済新聞に学ぶ~中米の主導権争い ついに仮想通貨におよび(前)
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米ドルが覇権を握っている中で、中国政府は国際通貨、もっと先を見据えれば基軸通貨を目指す。アメリカと中国の世界主導権争いが、ついに仮想通貨(暗号通貨)の領域にも及んでいる。10月24日、中国の習国家主席は国を挙げてブロックチェーン技術開発を推進すると表明。さらに26日には「デジタル人民元」導入を支援する法律「暗号法」が成立している。こうした動きについて、ある政府関係者は「中国人民銀行が、世界で初めて、デジタル通貨を発行する中央銀行になるかもしれない」と指摘している。
このことについて、口イター通信は中国人民銀行の高官の話として、この「デジタル人民元」がアメリカのFacebookが導入を進めている「リブラ」に似た特徴を持ち、主要な決済プラットフォームで扱えるものになる可能性があると伝えている。
「リブラ」は市場取引で価値が激しく変動するビットコインなどの仮想通貨とは異なり、米ドルなどの法定通貨と紐づけることで変動を抑え、安定した通貨となるよう設計。海外への送金が安く、安全に行えることが期待され、Facebookでは来年早々の導入を目指していたが、アメリカ議会は不正利用などセキュリティ面で懸念を表明。ザッカーバーグCEOは、懸念の声を受け入れながらも、「中国は今後、数力月で(リブラと)同様のアイデアを立ち上げるよう、急速に計画を進めている。もしアメリカが黙って革新の足を止めるのなら、世界経済でアメリカのリーダーシップは失われる」と警鐘を鳴らしている。
現在、世界で取引で使われている通貨の4割以上が米ドルといわれており、中国の人民元は2%にとどまっている。中国はデジタル人民元を通じて人民元を国際基軸通貨にし、一帯一路体制の強化を狙っているとも言われているのだ。
今年4月以降、中国ではビットコインのマイニングが禁止され、中国国内に拠点を置くマイニング企業は国外への移転を余儀なくされていた。
しかし、11月6日時点で、中国の国家発展改革委員会(NDRC)が公表していた中国国内禁止事項リストから、「ビットコインマイニング」の項目が削除されており、中国でのマイニングは容認される方向だ。
同氏は、中国政府がマイニングを許可したことは、ビットコインやその他の仮想通貨にとってとてつもなく好影響を及ぼすだろうとの見解を抱く。
習近平国家主席によるブロックチェーン技術の本格導入の発表以降、ビットコインやブロックチェーンの推奨活動をめまぐるしく展開していく中国政府。
今回マイニングが容認され、中国は今後ますますビットコインを含む仮想通貨の発展に寄与していくとともに、ビットコイン価格にも多大な影響を及ぼすこととなるだろう。
(つづく)
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