【政界インサイダー情報】鈴木直道北海道知事、IR誘致開発を断念
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鈴木直道北海道知事は29日、全国の各候補地で初めて苫小牧市へのIR誘致開発を断念すると発表した。
最大の理由は、筆者がたびたび指摘していた当該候補地の「環境影響可能性調査」、すなわち、環境アセスメントが間に合わず、先日、安倍政権から告知された国への申請期間(2021/1~2021/7まで)内での申請が、極めて困難としたうえでの結論である。
専門家から見れば、当然の結果であり、ここにきて「机上だけのすばらしい計画案」に、多くの不備が露呈し、このような結果を招いたのである。
筆者は、今回の件について、関係者である海外カジノ投資企業に直接話を聞いた。すると予想通り、本件の各関係者の能力と経験不足からくる想像以上の無知さがわかった。
すでにお伝えしていたように「環境アセス」は最終的な開発許可をもつ行政機関と、これを請けた「御用達民間IRアドバイザー」、開発業者デベロッパーが、手を挙げる前に完結しておくべき基本中の基本の作業である。最終の行政責任者である知事からの「GO」が出たら実行しますというのでは、遅すぎて、最初から実現不可能だったのである。
さらに海外カジノ投資企業関係者は、管轄行政機関の度重なる方針変更が「嘘か誠か、無知からくるものなのか」を判断できず、また、地元の自民党政治家たちの一貫性のなさと民間IRアドバイザーの約束違反など、諸々の環境下のなかで翻弄され、「酷く疲れきった」と嘆いていた。ただ、この海外カジノ投資企業にも問題がある。行政の前のめりの姿勢を疑いもなく信じ、自信過剰で走り出してしまったので、双方に責任があるといえよう
長崎や和歌山などの地方都市においても、北海道とほぼ同様の問題が起こるのは必至である。その原因は大都市と地方都市の能力格差である!
IRに関するメディアの伝え方は、その投資総額やギャンブル依存性問題、さらに、他国のカジノビジネス事業環境および観光産業などに偏っているが、この北海道IR誘致開発断念は各候補地の「他山の石」ではない。
これは加計学園問題からの延長線上にある「桜を見る会」も含めた安倍一強政権下の奢りからくる「安倍・トランプ密約」であり、IRの誘致にリスクはないとして、巨額な税収を夢み、自らを冷静に振り返らなかったあげくに巻き込まれた、「国際ビジネスに疎い経験不足の無知な地方行政主導によるお粗末な結末」である。
元東京都職員から問題の夕張市長を経た、若く優秀な新人知事の賢い決断に敬意を表する。「長崎も早く気がつくことです!」
【青木 義彦】
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