『脊振の自然に魅せられて』「道標整備登山」(後)
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小爪峠の中間地点へ着いた。ここに道標 NO23-1を設置しているが、すっかり苔に覆われていた。
「休憩してから磨きましょう」と言い、それぞれが腰を下ろし、ザックから行動食を出し、エネルギー補強を始めた。Sからクリームパンをもらったので、持参した暖かいコーヒーを飲みながらクリームパンを食べる。私も皆にアーモンドチョコを振る舞った。山仲間同士での楽しいひと時である。
短い休憩を済まし、「さぁ、始めましょう」と皆に声をかける。女性陣が道標に水をかけ、作業を始める。男性陣の役割は水くみだ。近くにある沢の水を何度もペットボトルに入れては道標にかける。Tが便利なものをもってきていた。水が無駄にならないようにペットボトルのフタに錐で穴を開け、ジョウロ状にしていたのだ。「山では水は貴重だから」とT。さすが経験豊富だ。
道標に付いた苔や汚れが取れ、きれいな道標がよみがえった。苔に覆われていた支柱も磨き上げ、道標は生まれ変わったかのようである。
10年前、ワンゲルの後輩の学生たちが、ここで丸太の支柱を担ぎ上げてくれたことを思い出す。「重かっただろうな」、と当時を思い出した。小爪峠直下の道標NO24も同様に磨き上げた。
小爪峠に着くと、枯れたススキが道標を覆っており、Tが鎌で枯れたススキを切り始めた。私は周辺の枯れたススキを鋸できり、さらに登山道を覆っていた木の小枝を処理した。
枯れたススキの処理を終え、休憩時間となった。寒くないか心配だったが、快晴に恵まれて風もない青空の下、峠での静かなひと時を過ごすことができた。Sさんが、伊勢名物の「赤福」を振る舞ってくれた。自身の還暦祝いで、家族と伊勢神宮まいりをしてきたお土産だとか。気配りがうれしい。「山で赤福が食べられるとは」と、Tが感動していた。
休憩も終え、登山口へと戻る。足場も悪く、道もない場所もある荒れた登山道が女性陣を苦しめた。Sさんは「とても私たちだけでは来られない所だ」と言っていた。
1時間で登山口近くの林道へ戻れた。近くの沢から水を汲み、林道沿いの道標を磨き終える。そこから5分下り、登山口の道標と登山地図を磨いた。水は側にある田畑用の水路から何度も汲み上げた。
地図の裏に、10年前に記念で彫った文字「協力:西南学院大学ワンダーフォーゲル部、前原市、佐賀市」が残っていたので、ここも磨いた。また、早良区役所の焼印とマークもきれいになった。
集合場所のワッキーに戻り、駐車場の件でPにお礼を述べ、女性陣と別れた。聞けば彼女たちは福岡大学の同期だとか。女性会員のSはこの日の夜、忘年会に出席するという。ビールが美味いだろうな。
(この項、了)
2019年12月3日
令和元年度 環境省自然歩道関係功労者賞
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行【脊振の自然に魅せられて】の記事一覧
・『脊振の自然に魅せられて』「脊振山系が日本山岳遺産に認定」
・『脊振の自然に魅せられて』「見事な脊振の紅葉」
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・『脊振の自然に魅せられて』第14回脊振クリーンアップ登山を開催して
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