東峰村3億円公募事業に疑義 判明した不自然な採点結果(後)
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福岡県東峰村は廃校となった小学校跡地を有効活用するため、今年3月から民間事業者を選定するための公募を行っていた。村が用意したのは、改修工事や設備設置費用として、「破格」の上限3億円。最終審査では、応募者による公開プレゼンを選定委員が採点し、今年7月に優先交渉権者が公表された。
現在、コンペを勝ち抜いた事業者と村は建設工事着工のため、協議を進めているが、今回判明したのは選定委員による不自然な採点結果。意図的に特定の応募者を低く採点したとしか思えない結果に、関係者からは「不自然であり、公平公正とはいえない。応募者を馬鹿にしている」との声が挙がっている。
応募者「馬鹿にしている」
村は選定委員の氏名とプロフィールを公表しているが、採点表に記載された採点者の名前は墨塗りにしており、公表しておらず、疑いのかかる採点を行った人物を特定することはできなかった。なお、この採点者はコンペを勝ち抜いた事業者を最も高く評価しており、すべての採点表のなかで最高となる83.5点を付けている。
詳細な採点結果を公募参加者に知らせたところ、「各事業者とも工夫されたプレゼン内容だった」と前置きしたうえで、「この点差はあまりにもひどい。意図的に採点しているとしか思えない。何カ月も時間をかけて挑んだ審査だった。採点者が意図的に採点していたとしたら、応募者を馬鹿にしている」と憤る。
また別の参加者は「そもそも結果が非公開というのが不可解だった。少なくとも参加者には通知すべきでしょう。(疑惑の)採点も不自然としか言いようがない。こんなコンペに意味があるのか」と不満を募らせている。
村「厳正に評価」
疑義の生じた採点表について、村に文書で問い合わせたところ、回答までに2週間を要した。2度にわたる催促でようやく返ってきた回答が「審査につきましては、選定委員として、それぞれの立場で厳正に評価いただいたと認識しております。」という一文のみ。どうやら村はこの採点について、不自然さを感じてないようだ。
税金の投入される公共事業である。その入札や業者選定に不正はもとより、疑わしい点も存在してはいけない。当初、村はデータ・マックスの開示請求で採点表を「不開示」とした。今思えば、村はこの採点表を不自然だと認識しながら、公表されるとまずいと思ったのではないか。だからこそ「不開示」としたのではないかと勘ぐってしまう。
採点結果を総合的に判断して、コンペを勝ち抜いた優先交渉権者の提案が優秀だったといえるだろう。しかし、選考過程に1つでも疑義が生じてしまうと、公募全体が疑わしく映る。採点者が誰なのか、村と本人だけが知っている。
(了)
【東城 洋平】▼関連リンク
・旧小石原小学校跡地利活用に係る事業者募集の選考結果について関連記事
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