【2020年 年頭所感】傷つき、沈没寸前の「地球丸」 社会貢献事業で人類の危機を救おう(4)
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(株)データ・マックス 代表取締役社長 児玉 直
■哲人・中村哲氏に学ぶ
非政府組織(NGO)ペシャワール会の現地代表を務めてきた中村哲氏が、アフガニスタンで銃撃されて死亡したことは、関係者だけでなく世界中に大きな衝撃を与えた。葬儀には中村氏の偉業を讃えて1,500人が集まった。中村氏は、なぜこれだけの感銘を人々に与えられたのか。それは「死をも覚悟した、偽りのない崇高な行為」の尊さがあらゆる人々の胸を打ったからに外ならない。
2008年に現地で活動していたペシャワール会の伊藤和也さんが殺害されたとき、中村氏は仲間たちを全員帰国させ、自分1人だけが残った。「次は自分がやられるかもしれない」という覚悟とともに生き、自らを必要としてくれる者のためにやるべきことを淡々とやり遂げた。本物の勇気、さらに本当の実行力というものを見せつけたのだ。
中村氏は医者として医療未開の地に定住し、数々の体験から「アフガンの民を根本的に救うのは、医療よりも水の確保だ」という結論に至る。そこから灌漑水利建設に乗り出すのだ。その行動の原点はまさしく地球愛に根差したものといえる。我々の今後の行動指針は地球愛を最優先に掲げなければならない。
■国連DEVNETを活用すれば防衛軍可能
Devnet International世界本部の総裁に明川文保氏が就任した。昨年12月16日には東京プリンスホテルで550人が参加した就任式と祝宴が行われた。明川総裁は、「地球丸の危機を救うために社会貢献事業の会社を全世界に組織していく。持続的に活動するために各企業は利益を捻出していかなければならない」と宣言した。
DEVNETは国際連合主要機関の1つである国連経済的社会理事会(ECOSOC)が認定するカテゴリー1に認定されている。ECOSOCが認定した組織のうち日本に本部があるのはアジア刑政財団、オイスカ、AMDAに続いてDEVNETが4番目になる。同組織はロベルト・サビオ氏とガリ元事務総長の働きかけで1985年にローマに創設された。発展途上国間および先進国と発展途上国間の交流を目的とし、世界規模の技術、経済および貿易のグローバルな情報ネットワーク構築を目指している。現在、166カ国、約150万社がこの機構を利用している。
DEVNET最大の役割は7つの柱で構成されている。国連開発計画(UNDP)や国連環境計画(UNEP)、国連食料農業機関(FAO)などと連携しながら貧困削減、食料増産、女性の地位向上、省エネルギーと先端技術導入、人道支援、環境保護・維持・改善、都市の持続的発展などの経済項目を推進していくのである。あらゆる産業や業種が含まれているから実行するのは容易である。
■社会貢献事業存続は企業経営と同じ
明川総裁が語る成功の実例とは、現在フィリピンに拠点をもち、世界の中小女性起業家のネットワークとしてWINNERとして活動を行っているTIPSである。DEVNETの傘下にある組織で共同行動をしている。これはフィリピンから世界に散った、60万人ともいわれる出稼ぎ女性たちの人権保護と収入を保証するビジネスだという。
地球丸は傷ついて沈没寸前、地球人は絶対絶滅の危機にある。この状況打開は他人任せでは成し得ない。1人ひとりが立ち上がり、社会貢献事業を起こすしか解決の道はないのだ。言ってみれば「地球防衛ビジネス隊」と呼ばれる活動を展開すべきだ。時間は残されていない。さあ、日本各地に、世界に、地球防衛ビジネス隊を組織しよう!!
(了)
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