2024年12月30日( 月 )

最も神経を注いだ「過重労働対策」

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

(株)光英科学研究所

 埼玉県和光市で乳酸菌生産物質の原料を製造する(株)光英科学研究所(村田公英社長)。従業員数は18名。平均年齢は43歳と比較的若い。働き盛りの社員の健康リテラシーを高める目的で、同社が健康経営優良法人に申請したのは2017年11月。以来、単年度ごとに認定する同制度に申請し続け、来年は4年目を迎える。

予測に基づく生産体制、残業ほとんどなし

 「今でこそ認定を受ける中小企業は数百社におよぶが、当社がチャレンジした年は数十社程度だった。最初は中小企業診断士に手取り足取り教えてもらい、やっとの思いで認定取得に漕ぎつけたが、4年目となると、申請書類も自前で作成できるようになった」。

 こう話すのは同社の村田社長。健康産業に携わる企業という自負もあり、業界のなかでもいち早く健康経営に取り組み出した。同社が最も神経を注いだのは過重労働対策だった。中小企業診断士からも長時間労働者への対応をしっかり行うようアドバイスを受けていたこともあり、「残業なし」を徹底的に周知したという。

 「受注生産の場合、どうしても繁忙期と閑散期があり、忙しい時期は超過労働になりがちだったが、今では受注予測に基づく生産体制をとっているので、残業はほとんどない。とくに健康経営優良法人は、長時間労働への対応に取り組まないと認定されないという感覚があるので気を付けている」(村田社長)。

メンタルサポート相談窓口を設置

 “医者の不養生”という言葉があるが、健康産業に従事する社員も、普段から健康に人一倍気を遣っているかというとそうとも限らない。食品素材の機能性研究を行い、食事の重要性を知りつつも自身の健康には無頓着な社員もいる。体調不良による従業員の職場離脱は、会社にとっても同僚にとっても大きなダメージとなる。従業員が心身ともに健康であることが、同社の経営課題となっているのだ。

 このため従業員のメンタルサポートでは、産業カウンセラーと契約して相談窓口を設置した。また、定期的に中小企業診断士や健康経営アドバイザーを呼んで社内で研修会を開いている。時には管理栄養士や精神科医を講師に招き、食事やストレスケアの話を聴く機会もあるという。

 健康経営優良法人として認定を受けることについて、村田社長は「営業面でメリットがあるとはいえないが、最近はブラック企業が社会問題となっているので、求人の際は認定をとっていれば安心してもらえるという利点はある」と話している。

社内で健康セミナーを実施している
社内で健康セミナーを実施している

【吉村 敏】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:埼玉県和光市新倉5-1-25
TEL:048-467-3345
FAX:048-467-3374
URL:https://koei-science.com

関連記事