2024年11月22日( 金 )

急転回の米大統領選情勢と今後の展望

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「権力者の犬に成り下がっている」と日本の報道機関を厳しく批判した2月6日付の記事を紹介する。


 米国議会でトランプ大統領による一般教書演説が行われた。演説終了後、議長席で演説を聴いていたナンシー・ペロシ下院議長が立ち上がると、トランプ大統領の演説原稿を真っ二つに切り裂いた。この映像だけが流されると、ペロシ議長の行為は行き過ぎではないかと感じる人が多いと思う。いくら演説内容に不満があっても演説原稿を壇上で切り裂くことはひどすぎると。

 しかし、これには原因があった。演説のため登壇したトランプ大統領は演説原稿を壇上のペンス副大統領とペロシ議長に手渡した。原稿を受け取ったペロシ議長はトランプ大統領に握手の手を差し伸べた。トランプ大統領はペロシ議長を一瞥することもなく前を向いて演説を始めた。「やられたらやり返す。倍返し」というのがペロシ議長の行動であって、トランプ大統領の非礼な対応を踏まえればペロシ議長の行動は不当なものと言えない。

 重要なことはメディアがこれらの経緯を公正に報じるかどうかだ。原稿を破り捨てた場面だけを報じれば、ペロシ議長の行動は行き過ぎであるとの感想が浮上する。トランプ大統領が握手を無視した場面を含めて報じれば、ペロシ議長の行動がおかしいとの判断は生じない。

 メディアの一部はトランプ大統領の握手無視の場面を伝えずに原稿を破り捨てたことだけを報じている。メディア偏向の一事例である。

 11月大統領選に向けて民主党は候補者氏名の最終段階に入る。その先陣を切るのがアイオワ州の党員集会だ。2月3日に開催された。ところが、民主党事務局が準備した投票用アプリの取り扱いでトラブルが生じて投票結果の集計が大幅に遅れた。とりあえず中間発表値が公表されたが、事務取扱のトラブルによる民主党のダメージは大きい。

 世界が注目する中で民主党が失態を演じてしまった。現時点では暫定値であり、最終集計結果ではないが驚きを与える暫定数値結果になっている。38歳の新鋭ビート・ブティジェッジ氏がトップに躍り出た。

 筆者が開催しているTRI政経塾では昨年6月24-25日の第28回会合で、資料にピート・ブティジェッジ氏の写真を掲載して、再注目候補であることを伝えた。

 当時37歳の新鋭で、国政経験がないことから、どこまで浮上できるかは未確定だが、大統領選のダークホースとして最も注目しておくべき候補者であることを伝えた。

 民主党候補者ではバイデン元副大統領、サンダース上院議員、ウォーレン上院議員にブティジェッジ氏、さらにブルンバーグ元NY市長の5名が有力候補である。

 このなかで、大統領本戦が白熱することになる民主党候補はウォーレン氏かブティジェッジ氏であることをTRIレポート(『金利・為替・株価特報』)に明記してきた。

 ウォーレン上院議員は民主党左派の候補者で女性の弁護士である。米国では女性大統領の誕生に対する期待が根強い。ウォーレン氏は清廉潔白な人物とされており、大きなブームを引き起こす原動力を有する。

※続きは2月6日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「望月衣塑子記者質問外しに番記者が加担か」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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