【ベトナム視察記(3)】ぼったくり額は交渉で決定~タクシー運転手
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ベトナムの移動手段として定着した配車アプリ・GRAB。今回の視察では手頃な料金と位置確認ができる安全性から日本人の間ではタクシーより利用頻度が高いことがわかった。
それでも依然としてタクシーも利用されている。実際に利用してみると現地ガイドから聞かされた目的地までの約8万ドン(約400円)よりも高い10万8,000ドンを料金メーターが示していた。
最初に10万ドン札をドライバーに渡すも「8,000ドン足りない」と言う。あいにく50万ドン札しかなかったので、先ほどの10万ドンと合わせて合計60万ドンを渡した。しかし、おつりを出す素振りがない。
乗客同士で「料金メーターの見方が間違っているのだろうか」とか「チップが要るのでは」などと話しているうちに運転手はおつりの紙幣を一枚渡してきた。それでも高いと感じ、身振りを交えて伝えると「これでどうだ」という感じで、さらにもう一枚紙幣を渡してきた。その後も「あーでもない。こーでもない」というやり取りが続いたが「これで終わりだ」というジェスチャーに促されるように下車を余儀なくされた。結果的に支払ったのは30万ドン(約1,500円)。後に現地ガイドに問い合わせ、「ぼったくられた」と確認された。メーターが示した料金自体も高いという。
話を聞いた現地ガイドは激怒し、タクシー会社にクレームを入れ、お金を取り返す努力をしてくれた。最終的には我々がぼったくられた金額に確信がもてなかったため実現しなかったが、プロとしての矜持を垣間見ることになった。こうした人が増えれば、「ぼったくりタクシー」はいずれ消滅していくことが期待される。また、ベトナムのタクシーはホテルや飲食店に待機していることが多く、従業員に依頼するとすぐに呼んでくれる。我々もその一台を利用した。待ち時間を考えれば配車アプリより便利だが、配車アプリのさらなる躍進を予感させる一件でもあった。
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