2024年11月25日( 月 )

【政界インサイダー情報】大阪IR公募(RFP)結果はMGMとオリックスのみ

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 日々、新型コロナウイルス問題一色で報道されるなか、先日、予想通りに大阪IRの事実上の事業開発母体が確定しました。これも筆者が以前から指摘していたことで、カジノ関連"忖度法案"に則っての"出来レース"です。しかしながら、法律違反ではありません!

 また、各メディアが熾烈な競争になるとして報道されていた2社ゲンティンとギャラクシーは公募前に辞退し、あえて参加しませんでした。彼らは気がつくのが遅いのですが、やっと参加しても無駄で勝てないことを悟ったわけです。また無駄にRFPに参加すれば、この公募には入札に関わる申請諸費用が多額に掛かります。これはRFC(Request for Concept)とは大きく異なり、本格的な事業計画書などを作成する必要があるからです。

 さらに、その最大の理由と原因は、地元財界の関西電力や大阪ガスなどとの各自協力体制の構築と組成ができなかったことです。要は、主たる地元企業は1つに纏まり、MGM・オリックスグループの傘下に収まっての組織組成をされてしまったのです。

 当初から、安倍政権下の忖度官僚主導のカジノ関連法案で賢く仕掛けている最終的なコンソーシアムの組織組成は、"海外カジノ投資企業"と"国内大手デベロッパー"ならびに"地元財界企業"で実行することとして主導しているわけで、これが主要なポイントです。地方いずれの候補地でも、地元財界企業は必ず1つに纏まり行動することを熟知しての法案づくりをしているのです。本当に賢く、良くできている忖度法案です。よって、今回の大阪IRの公募結果でこれが明確に証明されたわけです!

 従って、筆者は最初から、勉強不足の各メディアが報道していた"熾烈な競争となる"など起こり得ないと言い続けてきたわけです。この国独特の"赤信号皆で渡れば怖くない"または"護送船団方式"は、海外企業には文化の違いからこれを容易に理解できないのです。気がついた時には今回のように手遅れです!これを十分予測しての「安倍・トランプ密約」忖度法案なのです。よって、すべてに法律違反はありません!すばらしい出来上がりです。

 しかしながら一方では、地方の中堅都市には大変過酷で、絶対に実現不可能な地方外しの"忖度"関連法案でもあるのです。すでに解説している"IR施設施工令"で定めているホテル、国際コンベンションなど(MICE)の巨大な延床面積と施設収容人数の下限条件の制限です。昨年末、本件から離脱断念した北海道の鈴木直道知事はまだ賢く、和歌山や長崎などはいまだにこれに気づかず、執着して多額な税金を投入し続けています。今回の新型コロナウイルス問題で観光客頼りの計画はいかに危険で、巨大な後背地人口とその市場がなければ本件の実現は不可能ということがよりわかったことでしょう。

 それなのに、長崎などは、来月からこの公募(RFP)の募集開始をいまだ公言しており、それが現在大変な状況に陥っています。前述の政府主導のコンソーシアム組織組成の基本(指導であり法規制はない)である、日本側の大手と地元財界企業の参加者がいまだ誰もいないのが現実です。すでに、それぞれの民間企業は収支が合うはずはないとわかっているのです。筆者は何度も指摘しているのに!

 これを長崎行政は、最悪日本企業の参加はなくとも、海外カジノ投資企業のみでRFPを実施しようとしているのです。とんでもない事(しかし法律違反ではない)に、多額な費用をさらに税金から投入して実行しているのです。

 このかたちでは、最終的な国の認定が取れるわけがないのに気が触れているとしか言いようがないですね!本件IR開発は、九州では福岡都市圏しか一切の可能性はありません。

 どうか、長崎県知事と関係行政の皆さま、佐世保の市民反対運動も激化しつつある現在、北海道の鈴木知事を見習って一日も早く断念した方が良いですよ。

【青木 義彦】

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