NIDを通じたドラモリの活動 ドラッグストアとVCの将来(2)
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日本ドラッグチェーン会(NID)は、1970年に産声をあげ、昨年6月には創設50周年を迎えた。同会の加盟社数は77社、約5,300店舗、総年商1兆4,150億円(ドラッグ部門)の巨大ボランタリーチェーン(VC)に成長した。50周年を前に一昨年9月、事業会社(株)ニッドの代表に、ドラッグストアモリの会長である森信氏が就任。ニッドは、加盟店舗向けにPB商品の開発と供給を行っている。NIDの関伸治会長と商品開発を担うニッドの森信社長の両輪でVCを牽引。業界再編が急速に進む今、求められるVCの役割とDgSの将来像を考える。
食品スーパーやホームセンターなども加盟
VCの存在が問われる現在、NIDには有力な異業種企業が入会している。静岡県を中心に総合ディスカウントストア「エスポット」、食料スーパー「POTATO」、業務スーパー、インテリアショップ「エ・コモード」などを多店舗展開する(株)マキヤや、新潟市に本社を置く(株)ひらせいホームセンターなどが入会した。
ひらせいホームセンターは、OTC医薬品の扱いは行っていないが、酒類を含む食品や日用品を積極的に扱っている。
さらに先ごろ、群馬県を中心にホームセンター、リフォーム事業などを運営する(株)セキチューも加盟した。現在、OTC医薬品の販売店は1店舗のみだが、ホームセンター業界にVCがないことから、同社は同会に期待を寄せている。
ホームセンター業界からは一足先に、埼玉県さいたま市に本社を置き、売上高1,399億8,000万円、60店舗(19年8月末現在)の(株)島忠が入会している。
近年、NIDは、大手メーカーの信頼を得て、NID専売品や共同開発商品などに関しても、前向きな話し合いがもたれるようになっているという。ちなみにニッドのPB商品開発は、NIDに加盟するDgSのバイヤーたちが行っている。バイヤーたちは、普段から店頭を回り、生活者の声を集め、それを商品開発に生かしている。
ますます影響力を強めるニッドの森信社長
現在、大手DgSチェーンによるダイナミックなM&Aで業界再編が行われているが、今こそ、VCの存在感と役割が問い直されている。NIDについて大手製薬メーカーの幹部は、こう話す。「同会にはパワーを感じる。現在、日本ドラッグチェーン会を牽引する原動力は、森さんだ。業界再編の嵐が吹き荒れるこのような時代は、あの強引さが求心力となっている」。
現在、NIDは、既存会員の出店とともに新規会員の入会により、成長を続けている。これは「NIDの他業態も積極的に受け入れる柔軟な事業戦略と対応力によるもの」と、指摘する業界関係者も。
ますますNIDで影響力を強める森信会長のドラッグストアモリについて、見ておこう。
九州を中心にドラモリの愛称で親しまれているドラッグストアモリ。森会長が大学を卒業後、研究室で助手をしていたときに漢方と出会い、漢方をもっと広めたいと思ったのが、現在のドラッグストアモリを始めるきっかけだった。同氏は、1983年に森薬局として、20坪の漢方薬局を始めた。
当初から、専門性の高いカウンセリング、適切な情報提供により、「来店客が来やすい、相談しやすい店」作りをモットーに、店舗展開を進めてきた。
(つづく)
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