ふくおかフィナンシャルグループの実力(1)~やはり九州一
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谷正明会長の驚愕
肥後銀行と鹿児島銀行の合併=持株会社「九州フィナンシャルグループ」が誕生するとは、ふくおかフィナンシャルグループ(以下、FFG)の谷正明会長ですら予想しなかったのではないか!!この九州フィナンシャルグループの影響に対して、FFG経営陣らは「気を引き締める必要はあるが、恐れるほどの勢力にはならない」という認識であろう。
しかし、「九州という商号を使用された」ことには、『しまった、やられた』という後悔の念を抱いたのではないか?FFGの経営陣は、「俺らは九州一」と自負しているであろうから―。特に谷会長としてみれば半世紀、「九州一の銀行の地位を失ってはいけない」という使命感で福岡銀行のバンカー業務を貫徹してきたゆえに「悔しいなー」と本気で思っているであろう。
地銀大連合の時代へ突入する
FFGの決算期は2015年3月期で8期になる。周知の通り旧大蔵省(現財務省)の指導のもと、長崎県本社のある親和銀行と九州銀行とが統合した。表向きは九州銀行救済が目的だった。ところが、だ。実質的には親和銀行の方が内容面では悪かったのだ。金子水産グループなどに有していた隠し不良債権が膨大に横たわっていたのである。九州銀行OBの恨み節をよく耳にしたものだ。「俺たち九州銀行を悪者にしていたが、実際は親和の方が悪かったのではないか!!」。(別の識者は「いや、親和銀行の悪さはお見通しであった」)。
金融行政担当者はフタを開けてみてびっくり仰天。慌てて福岡銀行に次のように命じた。「親和銀行を傘下に入れなさい」行政指導には必ず甘い餌がある。「これだけでは面白くないだろうから肥後ファミリー・熊本グループも傘下に置きなさい」という餌である(熊本銀行として傘下に入る。この銀行は親和銀行ほど悪くはなかった。後述する)。
当時の福岡銀行の頭取であった谷氏は「千載一遇のチャンスがやってきた。これで完全に九州一に君臨できる」という認識で決断した。対極に西日本銀行と福岡シテイ銀行が合併して西日本シテイ銀行が誕生し、福岡銀行の存在の影が薄くなっていた背景がある。谷会長の決断速攻のパワーは桁違いだ。FFGを設立させて福岡銀行・親和銀行・熊本銀行をぶら下げた。ここまでは経営内容の悪い銀行救済合併スキームのドラマであった。(つづく)
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