2024年12月19日( 木 )

4月の月例経済報告~景気判断を「急速に悪化」へ

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 政府は23日にまとめた4月の月例経済報告を発表した。それによると景気判断を引き下げ、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、日本経済は「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」との見方を示した。
 月例経済報告は景気に対する政府の公式見解。「悪化」という文言を使うのはリーマン・ショック後の2009年5月以来、約11年ぶりとなる。また、2カ月連続の下方修正は14年10月以来となっている。
 3月の経済報告では、それまでの「回復」という文言を6年9カ月ぶりに削除し、「足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にある」としたが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の制約が強まり、消費や生産、雇用など足元の指標が総崩れとなっていることから「急速に悪化」とし、先行きについても「極めて厳しい状況が続く」としている。

【表1】を見ていただきたい。日経平均株価の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆昨年12月30日の日経平均株価(終値)は、前日比▲181.10円の2万3,656円62銭(▲0.76%)。
◆新年に入り政府が公表した月例経済報告書は1月22日。政府は「景気は緩やかに回復している」と発表。日経平均株価は前日比+166.79円の2万4,031円35銭(0.70%増)。
・1月31日の株価は、前日比+227.43円の2万3,205円18銭(0.99%増)。
◆2月の月例経済報告書は2月20日。政府は「景気は緩やかに回復している」と発表。日経平均株価は前日比+78.45円の2万3,479円15銭(前日比0.34%増)。2月6日には今年の最高値の前日比+554.03円の2万3,873円59銭(2.38%増)を記録。
・しかし、【表3】の通り、朝方に終わった24日の米国市場のダウ平均株価は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、前日比▲1,031.61ドルの2万7,960ドル80セント(前日比-3.56%)と大幅な下げとなった。その流れを受けて2月25日の日経平均株価は、前日比▲781.33円の2万2,605円41銭(前日比-3.34%)と大幅に下落。日米ともコロナショックの始まりとなった。
・その後は5日続落し、2月28日の日経平均株価は、前日比▲805.27円の2万1,142円96銭(前日比-3.67%)。1月末比▲2,062円22銭との大幅な下げとなった。
◆3月の月例経済報告書は3月26日。日経平均株価は前日比▲882円03銭の18,664円60銭(-4.51%)。
・日経平均株価は3月19日に年初来の安値を記録。前日比▲173.72円の1万6,552円83銭(前日-1.04%)。3月の月例経済報告が例月より遅れ、26日となったものと見られる。
・3月31日の日経平均株価は前日▲167.96円の1万8,917円01銭(前日比-0.88%)で、期末の取引を終えている。

<まとめ>
4月初旬の日経平均株価は3月末を下回ることもあったが、4月24日の日経平均株価(前場終値)は1万1,9272円42銭と3月末を上回っている。九州地銀の株価も【表2】のとおり、高安まちまちとなっている。個人株主の多くは、持ち株が売るに売れずに塩漬けの状態だとぼやく。はたして、新型コロナウイルスの影響はいつ収束に向かうのだろうか。

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【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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