【学歴詐称疑惑】再燃!女帝の学歴をめぐる疑惑~小池都知事の「カイロ大首席卒業」は本当か
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小池都知事、「カイロ大学首席卒業」をめぐる疑惑が再燃
18日告示の「東京都知事選(7月5日投開票)」がようやく動き出した。ホリエモンこと堀江貴文氏の出馬も取り沙汰されるなか、過去2回の都知事選出馬経験がある宇都宮健児弁護士が5月27日に出馬表明すると、共産党と立憲民主党は支援の方向を表明。6月2日には、全国最年少で熊本県副知事となった小野泰輔氏も出馬表明。元都議の柳ヶ瀬裕文参院議員(維新)と高校時代の同級生であることから「維新による推薦が浮上」(4日の日刊ゲンダイ)した。ただ、維新副代表でもある吉村洋文大阪府知事は3日の会見で「(大阪市長の)松井一郎代表が最終的に判断」と述べただけで、先行きは不透明だ。
立憲民主党が名前を挙げたれいわ新選組の山本太郎代表は出馬に否定的で、「都知事選と言っても小池氏の圧勝だ。日常的に選挙活動的なテレビの露出をしているわけだから」(4月30日の会見)と分析。たしかに都税を使ったCMに出まくるなどメディア露出で支持率上昇の小池氏優位は間違いないが、情勢を大きく変える波乱要因もある。小池氏の学歴詐称を報じた「カイロ大学首席卒業の嘘と舛添要一との熱愛」と銘打った『週刊文春』6月4日号(5月28日発売)のことだ。
フジテレビと小池都知事の微妙な関係
学歴詐称疑惑はこれまで何度も報じられてきたが、都知事選の告示まで1カ月を切った時期に、『週刊文春』が「学歴詐称は、公職選挙法虚偽事項公表罪にあたる」と断じた意味は重い。しかも、月刊『文藝春秋』で小池氏関連記事を2度執筆したノンフィクション作家の石井妙子氏の最新刊『女帝』も記事で紹介し、小池氏と文藝春秋との全面対決の様相も呈してきた。仮にカイロ大卒が真実ならば、小池氏は「文春報道こそ虚偽事項公表罪」と逆に提訴することもできる。どちらが嘘を言っているかを問う「小池氏 対 文藝春秋」のガチンコ勝負へとエスカレートする可能性を秘めているのだ。
そんな一大決戦の火ぶたを切った『週刊文春』発売の翌29日、都知事会見では当然、関連質問が出るだろうと思っていた。私も手を上げ続けたが、27回連続で指されない“記者排除”の新記録を更新、会見終了後に恒例の声掛け質問をした。
――カイロ大卒の嘘、文春報道は事実なのですか。(『週刊文春』に)法的措置を取らないと認めることになりますよ。
小池知事 (無言のまま立ち去る)。
本サイトの記事「〈文春砲〉接待賭けマージャン記事で安倍政権崩壊か 記者クラブの癒着構造顕わ」で指摘した記者クラブ制度の弊害ともいえる事実もある。小池知事会見の差別的対応については「『談合ヤラセ会見』で五輪関連質問を排除~小池都知事のお気に入り記者ランキング」(3月3日の本サイト記事)で紹介したが、このお気に入り記者ランキングを最新版に更新したところ、カイロ大学の卒業証書をフジテレビの『とくダネ!』(2016年6月30日放送)で公表した段取りをしたと囁かれていた小川美那記者が第1位だったのだ。
都知事会見指名回数順位=“小池知事お気に入り記者”ランキング
※昨年12月末から5月29日まで参加した27回の知事会見の集計1位 フジテレビ 小川記者 12回
2位 日本テレビ 中丸記者 11回
3位 朝日新聞 軽部記者 10回
4位 読売新聞 野崎記者 9回
5位 NHK 成澤記者 8回
5位 MXテレビ 相模記者 8回
(番外:フリー 横田一 27回中0回)『とくダネ!』で小池氏が見せた卒業証書について、先の『週刊文春』は「小池氏の卒業証書を子細に点検すると、証明スタンプが不自然に楕円にゆがみ、滲んでいる」と偽造の疑いを指摘していた。フジテレビは偽造の疑いのある卒業証書を十分な検証もせずに示して小池氏を援護射撃する一方、都知事会見では記者を優先的に指してもらえる恩恵を受けていたようにみえるのだ。権力者の言動をチェックするメディアの役割を放棄、権力者に都合の良い情報をタレ流して“蜜月関係”をつくって癒着していたと見られても仕方がないのではないか。
法的措置か「無視」か~女帝・小池氏の次の一手は
声掛け質問で「(『週刊文春』への)法的措置」について聞いたのは、記者自身が「公職選挙法虚偽事項公表罪(235条2項)」で刑事告訴予告を受けたことがあるからだ。郵政民営化が争点の05年9月総選挙で、当時の小泉チルドレンとして初当選した渡嘉敷奈緒美衆院議員(現・自民党大阪府連会長)から、弁護士を通じて不倫メール事件報道について次のような警告を受けたのだ。
「貴殿が週刊誌などに記事を持ち込み掲載させようとしているのは、公職選挙法235条2項(注 虚偽事項公表罪)に該当する違法行為であります」「貴殿が、あえて当職の警告を破って、渡嘉敷奈緒美の得票を不利に働かせる記事を、選挙運動期間中および選挙日にメディアに掲載させたならば、当職は貴殿および当該メディア(経営者)を刑事告訴する所存であります」
このときにすでに私は、不倫メール事件に関する記事を『週刊朝日』や『週刊金曜日』などで執筆、『フライデー』も実名入りで報じていたが、総選挙中であったことから同じ内容の記事を新たに書いた場合、刑事告訴をするという警告を受けたのだ。そうであれば小池氏も渡嘉敷氏と同じように、公選法虚偽事項公表罪に基づく法的措置を週刊文春や『女帝』を出した石井氏に対して取らないと、カイロ大卒の嘘を認めたことになると考えたのだ。
なお不倫メール事件は、当時の山田宏杉並区長(現・自民党参院議員)と区議時代の渡嘉敷氏とのメールを入手した夫のK(後に渡嘉敷氏と離婚)が慰謝料請求をしたところ、事実無根のメールによる恐喝未遂として逮捕された後、名誉棄損裁判で勝訴的和解となった。Kのメール偽装の濡れ衣は晴れたが、山田氏も渡嘉敷氏も不倫を認めず、不倫メールは見知らぬ第三者が作成したという状態になっている(詳細については、06年12月2日の青山貞一氏の「ある小泉チルドレン」などを参照)
先の『週刊文春』は「小池氏はまた、『カイロ大卒』と選挙公報に記すのだろうか」で締めているが、もう1つの注目ポイントは、不倫メール事件で虚偽事項公表罪での刑事告訴予告をした渡嘉敷氏と同じような法的措置を取るか否か、なのだ。得意の「(お気に入り)記者会見」を開いて卒業証書を公開すればすぐに終わる話にもかかわらず、無視を決め込むとすれば
ただの卒業ではなく〈首席〉卒業にこだわるのは、女帝気質ゆえか。ただし、そのこだわりが自らの足を引っ張り、小池王国のアリの一穴になるやもしれぬとは、なんとも小池氏らしいオチともいえる。
【ジャーナリスト/横田 一】
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